匂いは強烈でも、食べるとおいしく、ねっとりした独特の口当たりで「果物の王様」と呼ばれるドリアンは、中国のフルーツ市場と消費者の間で高い人気を集めている。値段が高いのがネックだが、5月に入ってトロピカルフルーツのシーズンがやってくると、ドリアンの流通量が徐々に増加し、価格も出回り始めの頃に比べれば手頃になっている。
4月初めには1キログラムあたり100元だったドリアンは、メーデー5連休が終わる頃には半額以下まで値下がりしており、100元ほどで、まるごと1個買えるようになっている。
5月から8月にかけてドリアンは旬を迎え、その販売もピークを迎える。現在、市場にはドリアンが大量に出回っており、今の「高品質で低価格」の流れは今後も続くとみられ、価格は低下し続ける可能性がある。
今年はドリアンがなぜこれほど安いのだろうか。タイのドリアン輸出業者によると、高速鉄道「中国ラオス鉄道」が開通してから、ドリアンの中国への輸出にかかる時間が大幅に短縮されたことが大きいという。これまでは海上輸送で約7日、道路輸送で約5日かかっていたのが、同鉄道の開通によりタイから中国雲南省昆明市までわずか3日で輸送できるようになった。これにより輸送中のロスも大幅に低下している。
そしてドリアンだけでなく、マンゴスチンやリュウガン、マンゴーなど、東南アジアのトロピカルフルーツもシーズンを迎えている。4月からこうしたトロピカルフルーツが市場に大量に出回るようになり、フルーツ専用列車は連日、中国ラオス鉄道経由で中国の大都市に旬の味を運んでいる。今年のメーデー5連休には、同鉄道が運んだ輸入トロピカルフルーツが1万1千トンに達し、中国の「果物かご」をバラエティに富んだものにした。多くの果物が旬を迎える夏のシーズンに大きな期待が寄せられている。
「人民網日本語版」2023年5月11日