大安全保障観でアジア・パラドックスを解消 (3)
第1に、安全を共に享受する。EUは主権共有の成功例であり、アジアは安全共有の模範となるべきだ。冷戦時代の安全共有は集団的安全保障、安全保障同盟であり、すでに時代の要請に後れを取っており、乗り越えられなければならない。関係国は繁栄を共に分かち合い、安定も共に分かち合う。これが安全共有の基本的な論理要請だ。
第2に、安全を共に担う。つまり安全の責任を共に担う。自国の利益のために安全の大局を破壊する行為は、実効性をもって阻止されねばならない。南中国海問題で、一部の国は航行の自由を騒ぎ立てて中国を封じ込めようとしている。これは情勢をかき乱す無責任な行為だ。安全の利害共有者はまず当事国であり、域外の国はその次だ。メコン川合同法執行の精神を発揮して、安全関連の責務を共に担わなければならない。
第3に、安全を共に築く。李総理はASEANプラス1(中国)首脳会議で、海上協力を着実に推進し、海洋協力パートナーシップをしっかりと発展させ、21世紀の「海のシルクロード」を共同で建設することを提案した。海上安全通路は当該海域諸国の安全保障上の利益に関わるだけでなく、域外貿易の直接的利益にも関わる。海上安全保障協力をより良く展開するため、中国は上海協力機構を真似て、海上協力組織の設立を提唱することができる。
第4に、ウィンウィンの安全。他国が安全だから、自国も安全となる。これは新時代の持続可能な共通の安全保障観の典型的な描写である。いかなる国の安全も、他国が安全でないことを基礎に築かれてはならない。「自国の安全は他国の安全でもある」制度を実現して、各国が安全の夢を共に享受できるようにする必要がある。サイバー空間、宇宙、公海などグローバル・コモンズの問題が突出し、国際社会の安全ガバナンスに新たな試練を突きつけている。試練に対処するため、中国は大安全保障観を力の限り提唱し、国際社会に安全保障の公共財を積極的に提供すべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年10月11日