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早川太基さん |
9月に開催された「中華大学生・大学院生詩詞大会」において、日本人留学生の早川太基さんが七言律詩「初恋」を発表、ある中国人留学生への感情を巧みに表現して審査員の心をつかみ、外国人として唯一の受賞者となった。早川さんは二松学舎大学を卒業した後、京都大学の大学院修士課程を卒業、さらに博士課程に進み、宋詩を専攻した。今年9月からは北京大学で留学生活を送っている。揚子晩報が伝えた。
早川さんの京都大学時代の中国語教師・蔡毅教授は、「彼は中国の古典文化に精通しており、教師の間でも『奇才』で通っている」と語る。また、古詩詞にあまりにも夢中なため、クラスメートにも「キチガイの早川」とあだ名をつけられているほどだという。
▽大学時代の教師が語る当時の早川さん
早川さんは中学時代から中国の古典詩文に興味を持ち、日本の有名な漢学家である石川忠久氏の最年少の弟子になった。これまでに創作した詩稿は4千首近くに達し、学部生時代には「全国大学生漢詩コンクール」の最優秀賞を3度も受賞。今年は日本国民文化祭の漢詩部門に作品を出品し、文部大臣賞を獲得した。現在は北京大学で学ぶ早川さんは、すでに旧体詩のサークル「北社」に参加し、仲間と切磋琢磨しあっている。彼は、いつか中国の有名な山や川を訪れ、旅行の体験をまとめた詩集「蓉堂居士遊華詩文稿」を作りたいと考えているという。
京都大学時代の中国語教師・蔡毅教授は南京出身で、かつては揚州師範学院(江蘇省)の古典文学の教師として、多くの功績を残した。蔡毅教授は当時の早川さんについて、「良く覚えている。初めの授業の時、彼は中国語でこう自己紹介した。『姓は早川、名は太基、字(あざな)は子敬』。日本で20年以上暮らしてきたが、字を持っている日本の若者に出会ったのは初めてで、非常に驚いた。早川さんはさらに『私の抱負は、末世の鴻儒(こうじゅ:学問の深い人)、扶桑(日本)の騒客(詩人)になること。特に詩の創作に力を入れ、海東の第一詩人になりたい』と続け、私は舌を巻いた」と振り返った。
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