観光客を引きつけてやまないチベットの魅力
青海省から西蔵(チベット)自治区に観光で訪れた高瑛玲さん(69)は、「八廓街(八角街)の素晴らしさについては、以前から耳にしていた。でも今日、その魅力を本当に肌で感じることができた。古さと新しさが完全に溶けあった素晴らしさは言葉にならない程だ」と、興奮気味に話した。新華網が報じた。
高さんと3人の妹は数日前、列車でチベットに到着した。四姉妹は連れだって八廓街をそぞろ歩いた。時折足を止めては周辺を確認し、見どころを見逃さないよう確認した。「10年前、チベットを旅行したいと思い立った。しかし、当時はチベット鉄道も開通していなかった。今はさまざまな交通機関があり、とても便利になった。実際に現地に来てチベット族の人々の生活を垣間見て、チベットの雰囲気を味わうことができた」と高さんは話した。
「八廓」は、チベット語で「バルコル」といい、「巡礼路」を意味する。八廓街は、大昭寺(ジョカン寺)の周りを囲む円周路に市場が集まった街で、宗教的な起源があり、宗教と商業が共存共栄しているエリアで、1300年以上の歴史を誇る。各地からやってきた観光客は、巡礼路であり商業路であり文化路であるこの街を歩き、伝統と現代の融合を実感する。
午後の八廓街は、ジョカン寺に参拝するチベット信徒、昼食後の散歩を楽しむ市民、チベット観光にやって来た観光客などでごった返していた。八廓街の散策は、外国人観光客にとって、チベット観光で欠かすことのできない活動だ。米国からやって来たテリーさん夫妻は、頬を紅潮させながら、八廓街の風景をカメラに収めていた。
八廓街はラサ旧市街の中心部にあり、極めて濃厚な民族色と宗教色が漂い、研究価値の高い重要文化財や歴史的建築物が多く残されている。テリー氏は、「これらの建物は、見たところとても古く、世界中のここでしか見ることができない。私達夫婦は、ここの全てをとても気に入っている。八廓街がこんなに賑やかだとは想像していなかった。チベット色豊かな品物やネパールなど各国からの商品を、ここで手に入れることができる。また、ジョカン寺の門前でチベット信者が五体投地(全身を地に投げ伏して拝む最高の礼拝方法)をする姿に大変感動した」と述べた。
八廊街の現在の繁栄と隆盛は、現地政府が長年にわたり保護に尽力してきた賜物といえる。拉薩(ラサ)市文化財部門は2012年9月、八廓街の古代建築群を対象とした全面調査と登録作業に着手、最終的に56の古代建築物を市レベルの文化財保護単位に組み入れ、一部建築物の保護・補修作業を実施した。今年3月、長年未修理のままだった八廓街内15の古代建築物の保護・補修作業が全て完了、蘇った古代建築群に昔の面影が再現され、観光客により多くの「観る楽しみ」をもたらした。
チベットの魅力に惹きつけられた観光客は、毎年増加の一途を辿っている。最新の統計データによると、「世界の屋根」チベットを国慶節連休中に訪れた海外・国内観光客は、前年同期比12.9%増の延べ65万6916人と、過去最高をマークした。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年10月12日