米各都市 中国人観光客誘致にあの手この手
数年ほど前から、米国の多くの都市がかつてなかったような珍しい競争を展開し、あの手この手を繰り出し、中国人になじみの深い各都市の特色をうち出している。これらはすべて、急速に増加する中国人観光客を引きつけるためだ。「人民日報」海外版が伝えた。
テキサス州ヒューストンはバスケットボールの姚明選手や林書豪選手のおかげで中国との距離が近く、ワシントン州シアトルは中国で撮影されたコメディ映画「北京遇上西雅図」(北京がシアトルにあう)が強みで、イリノイ州シカゴにはスターというカードがあり、中国でよく知られたバスケ界スター選手のマイケル・ジョーダン選手やデリック・ローズ選手の存在を活用するほか、ノーベル賞受賞者を世界で最も多く輩出するシカゴ大学を中国にアピールしている。
米国商務省のまとめた統計によると、昨年に米国を訪れた中国人観光客は約150万人で、2008年に比べて約200%増加した。17年には400万人を突破する見込み。また昨年の中国人観光客による米国での消費額は88億元に達した。国際連合世界観光機関(UNWTO)の話によると、中国人観光客が昨年世界で消費した金額は1020億元で前年比40%増加し、中国は世界で観光消費が最も多い国になった。
より多くの中国人観光客を引きつけるための新たな要求に応えることも課題だ。各地の観光業者は観光客の身になって物事を考え、未来の観光客を呼び込むために知恵を絞ることが求められている。大ボストンエリアの観光団体代表の話によると、中国人観光客がなぜ米国に来るか、米国で何を見たいと思っているかを理解する必要があるという。
ボストンは特色溢れる観光の優位点を積極的に開拓しており、中国人観光客が有名な大学街の見学や憧れのハーバード大学などの有名校訪問のほかにも、ボストンに何日間か滞在するよう工夫を凝らしている。
ボストンの観光部門は航空会社に呼びかけて、中国とボストンのローガン国際空港を結ぶ直航便の開通を目指している。またボストンのホテル、商店、レストラン向けにシンポジウムを開催し、朝ご飯の時には熱い豆乳を飲む、ホテルの部屋でスリッパを用意する、レストランでは麺類を提供した方がいいなどといった、中国人観光客の生活習慣の紹介を行っている。だがボストンがより重視するのは、米国のほかの都市にはない「ボストンの観光ブランド」である静けさや閑静さをうち出すことだという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年9月23日