北京と張家口が22年冬季五輪招致へ 「強み」や影響を分析 (2)
両都市を結ぶ交通のメリット、都市間鉄道は年内に着工
北京と張家口を結ぶ京張都市間鉄道(全長約174キロ)が開通すれば、両都市間の移動にかかる時間は現在の4-5時間から40分あまりに短縮され、張家口市が首都から1時間以内の経済圏に組み込まれる。京張都市間鉄道は北京から出発し、沙城、下花園、宣化を経て張家口に至り、設計速度は時速200キロ?350キロとなっている。
【招致の弱み】
同じ大陸内で2回連続開催は不可能&北京の大気汚染
2022年冬季五輪の招致申請は11月14日で締め切られる。すでにカザフスタンのアルマトイが今年8月に立候補を表明しているほか、ノルウェーのオスロ、ポーランドのクラクフ、ウクライナのリヴィウ、スウェーデンのエステルスンド、ドイツのミュンヘンも申請の意向を示している。
北京市が今回の五輪招致で直面する問題の1つに、IOCの暗黙の規定がある。これはすなわち、同じ大陸内では2回連続で五輪を開催できないというものだ。2018年の冬季五輪は韓国・平昌で行われる。2022年冬季五輪が再びアジアの都市に決定するだろうか?さらに不利なことに、2020年の夏季五輪もアジア(東京)で開催されることが決まっている。もし今回北京市の招致が成功すれば、IOCのこれまでの慣例が打ち破られることになる。
このほか、北京の大気汚染問題も大きなデメリットとなる。大気汚染をいかに効果的に改善し、北京に青空を取り戻すか。北京市は、選手や人々が新鮮な空気の下で競技・生活できるようにすることを承諾しなければならない。
【招致に伴う影響】
生態環境の保護や観光業にとって有利
北京市社会科学院の趙弘副院長は「経済の発展は二次的なもの。重要なのは両都市による協力だ。北京の都市機能の拡散と張家口との協力に向け、より良い条件が整えられる。張家口は生態保全地域であり、観光資源も豊富だ。両都市の協力により経済発展も促されるだろう。冬季五輪の招致に成功すれば、張家口の雇用・経済発展にも間違いなくプラスの影響がある」との見方を示す。
北京大学政府管理学院の李国平副院長は「首都経済圏の仲間として、北京と張家口が密接に連携し、冬季五輪の招致に成功すれば、張家口の生態環境の建設や観光業に重要な影響がもたらされる」と分析した。
このほか、北京と張家口の経済活動も強化される。冬季五輪は規模は大きくないため、北京の経済発展に対してはそれほど大きな影響をもたらすことはないが、経済のモデルチェンジという面から見ると良い影響もある。冬季五輪の招致に成功すれば、スポーツ・レジャー、体育産業に恩恵がもたらされるだろう。招致が成功すれば、北京と張家口の一帯に氷と雪を中心とする一大観光地を建設することも可能だ。
関係者は「環境保護の面から見ると、冬季五輪の招致に成功した場合、河北省の産業発展はやや制限を受けることになる。例えば張家口の周辺では汚染物質を排出する産業が発展できなくなる。これは北京・天津・河北の環境にとっても利点がある。大気汚染が深刻化する今、冬季五輪の招致成功が(汚染の改善にとって)特殊な意義を持つことは間違いない」と指摘する。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年11月6日