北京と張家口が22年冬季五輪招致へ 「強み」や影響を分析
中国オリンピック委員会(COC)が5日に明らかにしたところによると、北京市と河北省張家口市はCOCに対し、2022年冬季五輪招致の申請を提出した。COCは、北京市の名義で国際オリンピック委員会(IOC)に2022年冬季五輪招致の申請を提出することに同意、11月3日にIOCに書簡を送り、立候補する旨を伝えた。新京報が伝えた。
【招致の強み】
北京市:インフラが完備、スピードスケート競技場の建設だけでOK
北京市が冬季五輪を招致する上で最大の強みとなるのは、2008年夏季五輪の競技場の再利用ができること、そして都市のインフラが完備されていることだ。冬季五輪の規模は夏季五輪よりも小さく、選手やコーチ、関係者、メディアなどを合わせても約1万人と、夏季五輪の選手総数とほぼ同じとなっている。北京五輪の開催後、北京市は国際的なスポーツ都市に向けた建設を進めており、主な五輪競技場は十分に利用され、国際的な競技大会も頻繁に開催されている。競技開催能力および都市の受け入れ能力は共に十分で、これが北京市が冬季五輪を招致する上で最も有力なコマとなるだろう。
関係者は、「北京市内の各競技場では、冬季五輪の氷上競技を問題なく主催することができる」と指摘する。冬季五輪の氷上競技には主にフィギュアスケート、ショートトラック、スピードスケート、カーリング、アイスホッケーなどがあるが、2008年夏季五輪の競技場として使われた国家体育館、五棵松体育館、工人体育館などはいずれも製氷の条件を備えている。招致に成功した場合、北京が建設しなければならないのはスピードスケートの競技場のみだ。
張家口市:自然環境、スキー場のレーン、関連施設などの5大メリット
張家口市の侯亮市長はこのほど、同市は北京市と共に冬季五輪を開催する十分な能力を有しているとし、同市の冬季五輪招致における5大メリットを次のように示した。
(1)良好な自然条件
まず降雪期が長く、張家口市崇礼県ではスキーシーズンが150日以上続く。これは降雪期4カ月以上を「優秀」とする冬季五輪の評価基準に合致する。次に、雪の質と量が保障されている。崇礼県は降水量にばらつきが少なく、過去10年間の降雪期の累計降水量は514ミリ、年平均降雪量は1メートル以上に達し、乾いた雪が降る期間は降雪期の3分の2以上と、いずれも冬季五輪の雪量の要求を満たしている。さらに、気温・風速が条件に合っている。冬の平均気温はマイナス12度と、冬季五輪の評価基準(降雪期の4カ月間、マイナス18度以上)を満たしている。また、崇礼県には中低山が多く、山の傾斜角度も適当で、各条件がそろっている。
(2)環境の整ったスキー場
崇礼県にはすでに万竜、雲頂、多楽美地、長城嶺という4つの有名スキー場があり、いずれも国際競技の基準に従ってレーンが建設されている。初級・中級・上級のレーン計82本(計69キロメートル)がそろっており、各種リフトは24本(計23キロメートル)、1時間あたりの輸送能力は毎時4万人に達する。
(3)便利な交通条件
張家口市と各都市をむすぶ高速道路、鉄道、航空便のネットワークはますます完備されつつある。北京市馬甸橋と崇礼県を結ぶ高速道路(220キロ)がすでに建設されているほか、北京市と張家口市を結ぶ京張都市間鉄道はすでにプロジェクト建議書が認可され、フィージビリティスタディも国家発展改革委員会に提出され、承認待ちの状態となっている。都市間鉄道が開通すれば、北京から張家口までの所要時間がわずか40分となる。また、張家口軍民共用空港はすでに開業している。
(4)徐々に完備されつつあるインフラ
崇礼県には5つ星ホテル1軒、4つ星ホテル3軒、3つ星ホテル7軒のほか、一定の規模以上のホテルが約20軒、農家民宿が約100軒あり、同時に1万人以上を受け入れることができる。今後10年間でホテルなどのサービス施設の建設はピークを迎える。
(5)長江以北ではトップを誇る大気の質
国家環境保護部(省)が発表した2013年上半期の全国74都市における大気の質報告によると、今年1-6月、張家口市で大気の質が基準をクリアした日の割合が69.1%(計125日間)に達し、北京・天津・河北省を含む長江以北では大気質が最も良い都市となった。