日本、中国牽制の企てが空振りに
日本の岸田文雄外相、小野寺五典防衛相は2日、ロシアのラブロフ外相、ショイグ国防相と外務・防衛担当閣僚級協議(2プラス2)を東京で開いた。「2プラス2」の開催は、日本にとっては米国、オーストラリアに続き3カ国目。ロシアにとっては米国、英国、フランス、イタリアに続き5カ国目だ。
凌星光・福井県立大学名誉教授は「これまで日本政府は北方領土問題の解決なしに、経済協力を含む他の問題は話し合えないとの姿勢を堅持してきた。だが安倍外交は全てが中国に対処するためなので、『様々な分野で日露協力を推し進め、平和条約交渉を推し進める』へと調整し、このような協議の開催を望んだ。ロシアにとっては、協議の開催によって極東での影響力を高めることができる」と指摘した。
袴田茂樹・新潟県立大学政策研究センター教授は「第1に、ロシアは日本と真の信頼関係を構築するには経済分野の協力だけでなく、安全保障分野の協力が不可欠だと考えている。第2に、ロシアは安倍政権は長期政権になることができ、現実的政策をとると考えている。このため、安全保障分野で自ら日本との協力を始めた」と指摘した。
日露両国は協議で、テロ対策、海賊対策での海上自衛隊とロシア海軍の協力、サイバー安全保障協議の立ち上げ、両国国防相の定期相互訪問、東アジアサミットでの協力強化などで合意した。
袴田氏は今回の協議の大きな注目点として次の3つを挙げた。