「傍受スキャンダル」によって剥がされた「テロ対策」という隠れ蓑
米国の「傍受スキャンダル」がくすぶり続けている。すでに暴露された状況を見ると、全世界に対する米国の監視はほとんど狂気じみた程度にまで達しており、監視対象は様々で、監視手段は多種多様だ。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
欧州の同盟国を含む多くの国々が驚愕の余り、米国に説明を求め、他国の安全と利益を損なう監視活動の停止を求めている。米国の国内世論も市民のプライバシーが理由もなく侵害されることを懸念し、傍聴活動を行う国家安全保障局(NSA)に対する改善措置を呼びかけている。
実際、スノーデン氏が「PRISM計画」を暴露して間もなく、オバマ米大統領は国内世論の圧力を受けて、NSAなど情報機関に対する4つの改善措置を発表した。米政府は最近、情報活動に対する審査の実施も発表した。
「傍受スキャンダル」事件の核心的ポイントは、米国の対外政策のダブルスタンダードと偽善が浮き彫りになったことにある。
「PRISMスキャンダル」事件前、米国はサイバーセキュリティ問題で、米国に対して「サイバー攻撃」を行っていると中国を中傷し続けた。事件後、米側は秘密監視プロジェクト「PRISM」について「悪事をなそうとする者を監視、追跡する」ためだけであり、反対に中国のいわゆる「サイバー攻撃」は「商業、軍事機密を窃取」するためだと主張した。「傍受スキャンダル」の暴露した外国に対する米国の監視の範囲と分野の広さによって、「テロ対策」のためとする米国の言い逃れが実に白々しいものとなり、同盟国ですら「同盟国の安全のため」との米国の弁解を受け入れなくなった。