大気汚染改善、温室効果ガス削減と同時進行が可能=英専門家
英国の気候科学専門家、サイエンス・ミュージアム(英国科学博物館)の元理事であるクリス・ラプリー氏は北京で10月14日、10月以降北京などの都市で頻発している煙霧汚染問題について、「中国の政府部門はロンドンの大気汚染改善の経験を参考にするべきだ。長期的に見て、大気汚染改善は温室効果ガスの削減と同時進行で行い、ウィンウィンを実現できる」と述べた。新華社が伝えた。
ラプリー氏は国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がこのほど発表した第5次評価報告書を引用し、「気候変動の影響により、世界全体で干ばつ・台風・洪水などの極端な気候・天気が発生する確率が上がっており、人類の生命安全および経済活動に深刻な危害をもたらしている。煙霧という人と自然のさまざまな要素によって形成される劣悪な天気は、ロンドンに消すことのできない影を残した」と語った。
1952年12月5日、「煙霧の都」ロンドンで「ロンドンスモッグ」が発生した。深刻な大気汚染により、ロンドン市民の多くが呼吸困難に陥り、4000人以上が命を落とした。ロンドン政府はこれを戒めとし、大気汚染改善を決意した。
ラプリー氏によると、英国政府はスモッグ発生後ただちに石炭燃焼を禁じる「煤塵抑制エリア」を法制化し、天然ガスによる石炭の代替を大々的に推進した。同時にロンドン市街地で自動車交通量の抑制策を講じ、微小粒子状物質の排出を大幅削減した。
北京などの都市で近年頻発している煙霧について、ラプリー氏は「石炭による暖房と発電が原因の一つ。中国では現在、石炭を完全に無くしその他の資源で代替することは難しいが、伝統的な石炭発電方式を変え、天然ガスなどのクリーンエネルギーの使用を増やすことが、実行可能な道であることは間違いない」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年10月16日