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オゾン 夏の主な大気汚染物質に

 地表から20-30キロ離れた高空にあれば、オゾンは地球の生物に危害を加える太陽紫外線をカットする天然の障壁、いわば「良いもの」であるが、これが地上にあれば人体の健康を損ねる「悪いもの」になる。光明日報が伝えた。

 北京市大気質観測システムは夏になってから毎日、北京市の35カ所の観測地点のリアルタイム大気質状況を発表している。それによると、一部観測地点(北京植物園など)の一帯の主要汚染物はPM2.5ではなく、オゾンであることが明らかになった。北京市環境保護局環境観測所の劉賢姝所長はこれについて「長期的な観測結果によると、オゾンは確かに夏の北京の大気汚染に対する寄与度が高い」と語った。

 オゾンは地球の大気中に含まれる微量の気体で、大気中の酸素分子が太陽光を浴び酸素原子に分解され、これが周囲の酸素分子と結びつくことで生成される。自然生成の他に、自動車、石炭、石油化学工業なども、オゾンの主な汚染源だ。オゾンは汚染源により直接排出されるのではなく、酸素、酸素窒化物、揮発性有機化合物が太陽光に反応して形成される、二次的な汚染物だ。

 劉所長によると、2012年の北京の大気中に含まれた二酸化硫黄、二酸化窒素、PM10の年平均濃度は、それぞれ1.5%、5.5%、4.4%低下した。一酸化炭素の年平均濃度は、前年から横ばいとなった。二酸化硫黄と二酸化窒素の平均濃度は、国家2級基準に達した。PM10の年平均濃度は、国家2級基準を9%超過した。劉所長は、「昨年通年に渡り、北京の大気には局地的なオゾン基準超過の現象が見られた。各観測地点の基準超過の時間はそれぞれ75−296時間に達し、基準超過となった日が76日に達した。これは5日のうち1日は、オゾンが基準超過になったことを意味する。オゾンはPM2.5に代わる、夏の主な大気汚染物質になりつつある」と指摘した。

 米国などの先進国は数十年間に渡る改善により、PM2.5の濃度を低下させているが、オゾン濃度の低下には有効手段が存在しない。フランスやイギリスなどのオゾン濃度も、基準を超過することが多い。

 中国工程院の唐孝炎院士は、「中国のオゾンに対する観測が、全面的に開始された。2013年1月1日より、全国74都市でオゾンの観測が始まっている。2013年末には、全国113の環境保護重点都市でも、オゾンの観測が開始される。観測の全面的な推進により、オゾン汚染の改善についても、議事日程にあげられるだろう」と説明した。(編集YF)

 「人民網日本語版」2013年7月30日

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