中国の若者に浸透のクレジット消費は「助け舟」それとも「アヘン」? (2)

人民網日本語版 2019年02月25日11:25

盛り上がる消費の陰で膨れる借金

過剰消費の「ニーズ」があり、それを「支える」金融プラットフォームもあり、さらに、それを宣伝するルートもたくさんある。このように表面的には現在の社会には強力な原動力を持つ消費市場があるように見え、「過剰消費」を通して、若者が発展のボーナスを得ているように見える。

しかし専門家らは、中国の生産型社会から、消費型社会へのモデル転換期における若者の「過剰消費」は、方向性が歪み、一定のリスクが存在し、社会も注意を払う必要があると指摘している。

華南理工大学の法学教師で弁護士でもある葉竹盛氏は、「金融会社がインターネットプラットフォームを利用して広告を高い頻度で配信する行為は、若者を『クレジット消費』に溺れさせる『経済的アヘン』だ」と警鐘を鳴らしている。

一方、前出の劉准教授は、「クレジット消費も消費スタイルの一つに過ぎず、広告やPR、メディアなどの影響を受けていることだけが原因ではない。むしろ社会の物質や制度、観念のレベルこそ、密接な関係があると言える。消費の落とし穴が出現しているのはつまるところ、物質レベルにおいて適切な消費商品がなく、制度レベルにおいても、効果的な監督・管理が十分されておらず、個人においても、物欲が強い刺激を受ける社会において、盲目的に能力以上のことをしようとしており、さらには外部環境も『簡単に何でもできる』という間違った観念を植え付けようとしている。こうした間違った観念が総合的に影響を与えていると言える」との見方を示す。

そして、「若者というものは人生において不安定な段階にあり、一部の事業者が人が生来備えている『欲』を掘り起こし、心理学的ツールを使ってその『悪い部分』を掻き立て、消費欲を刺激することで、不合理で不健全な消費観念が形作られるよう人々を惑わしており、最終的に一部の若者をクレジット消費や過剰消費に陥らせてしまっている。そして、習慣的にクレジットで消費するようになり、個人の信頼を損なうだけでなく、家庭が崩壊したり、学業や成長にまで悪影響を及ぼす可能性がある」と強調する。

それらのリスクをいかに回避するかについて、劉准教授は、「社会は若者に、消費の高度化を実現できるもっと多くの機会を与え、教育や告知を通して、過剰消費のタイプやその限界、それらがもたらす悪い結果などについて、明確に伝えていかなければならない。また、生活必需品が満たされ、サービスが発展する中で、合理的に楽しむために、理性的でバランスの取れた見方を養えるようにサポートしなければならない」と指摘している。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年2月25日

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