中国人は「食」へのこだわりがあるため、一般家庭で作るような料理でも多くのゴミが出る。ゴミの種類も多いため、分別するのは至難の業。しかし、上海に住む女性・金さんは最近、たくさんのゴミを工夫して分別し、捨てていることで、話題となっている。
5人家族の金さんの家には、14個のゴミ箱があり、うち7個は分別ゴミ用。リビングには生ゴミと普通ゴミを分別して捨てることができる手作りのゴミ箱が置かれている。
金さんは魚、肉、野菜などを使って料理を作るとき、種類ごとに分別して捨てている。野菜などは生ゴミ用のゴミ箱に、プラスチックパックは普通ゴミの箱に捨て、空き瓶は洗い、空き缶はつぶして資源ゴミとして捨てる。おやつの袋などは3種類に分けて捨てる。ゴミを捨てるにも頭を使っているのだ。
80後(1980年代生まれ)の陳立■さん(■は雨かんむりに文)はカナダのニューファンドランドメモリアル大学で環境史を学んだ後、南カリフォルニア大学で中国のゴミの分別と回收の歴史を研究課題にして学んだ。海外での学習と研究の経験がきっかけとなり、陳さんは「歴史」という観点から中国のゴミの分別問題を考えるようになった。
ゴミが分別されずに処理されるという問題を解決するためには、ゴミの発生源を見つけなければならない。「ゴミを減らすためには、ゴミの分別体系を構築するのが第一歩」という陳さんは、「中国の農村から着手することにした。「都市のゴミ問題と比べると、農村には整ったゴミ収集システムがなく、空白状態であるため、それを構築しなければならない」としている。
陳さんによると、ゴミを出す人から始まり、それを收集し、処理するまでのたくさんの人がゴミ処理チェーンの一部となっている。そのチェーン上にいる人のつながりをきちんと調整しなければ、ごみ処理問題を効果的に解決することはできない。陳さんがテスト事業として選んだのは河北省▲水県南峪村(▲はさんずいへんに来)で、村民に呼びかけて、生活ゴミを収集している。
「いつかゴミゼロの社会を実現するというのが私の夢。今でもどのようにゴミを分別したらよいのかよく分からないという人もいる。したいと思っていても、その経験がないのだろう。でも、帰国して数年の間に、中国の人々の環境保護に対する意識やゴミの分別に対する意識が目に見えて高まっているのを感じる」と陳さん。
環境保護の意識が高まっているのを見て、陳さんは自信を強め、一層やる気が起きたという。今後の計画について、陳さんは、「チャンスも課題もある。これはそんな簡単にできることではない。ゴミの分別をやり遂げたい」と話した。 (編集KN)
「人民網日本語版」2019年2月28日