ベトナム・ハノイでの第2回朝米首脳会談は物別れに終わった。トランプ米大統領は会談後の記者会見で「現在はまだプロセスにあり、合意締結にはまだ早い」と表明した。これは会談前の期待とはかけ離れた結果であり、朝鮮半島核問題の複雑さを十分に示すものでもある。新華社が伝えた。
三尺の氷は一日の寒気でならず。朝鮮半島の非核化はとても長いプロセスを要する。一挙に達成するのは不可能だ。双方はようやく得られた対話の勢いを大切にし、引き続き互いに善意を示し、信頼を培うべきだ。
実際、昨年シンガポールでの朝米首脳会談で膠着状態を打開した後、両国関係に具体的進展はなく、一度は停滞に陥りすらした。朝米間には互いの戦略に対する根深い猜疑があり、双方共に相手が先に一歩進み、より多くの誠意を示し、確実な行動を取るのを待っていることが、その原因だ。一方、今回の会談が物別れに終わった原因は複数ある。その1つは、双方が対朝制裁解除の問題について依然合意に達していないことだ。朝鮮半島の非核化という核心的問題については言うまでもない。
各会談がいずれも新たな出発点であることを指摘したい。朝米対話は今後も多くの困難や不確定性に直面する。このプロセスが順風満帆のはずがない。双方はさらに真心と辛抱強さをもって、段階的に、歩調を合わせて、対等に、向き合って進み、朝鮮半島問題の政治的解決プロセスを前進させ続けなければならない。
長年にわたる朝鮮半島情勢の起伏と曲折は、対話と協議こそが根本的な出口であり、向き合って進んで初めて着実に遠くまで前進できることを世界の人々に示している。昨年朝米が「相互停止」を事実上実現して以来、朝鮮半島の一触即発の暗雲は去り、対話と意思疎通という緩和局面を迎えた。朝鮮半島情勢を注視する人々はこれを歓迎している。次の段階で、双方はようやく得られた対話の勢いを一層大切にし、互いの理にかなった懸念に十分に考慮し、配慮し、向き合って進み、朝鮮半島の非核化と恒久的な平和・安定の実現のために共に努力すべきだ。
朝米双方が引き続き互いに誠意と善意を示し、朝鮮半島問題の政治的解決という得難い歴史的チャンスの時期をしっかりと捉え、対話の道を着実に歩むことを期待する。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年3月2日