では、親しく、安定して有意義な社会関係を、どうしたら築くことができるのだろう?
彭教授は、「社会心理学は、60年あまりに及ぶ地道な研究を経て、とりわけ重要な社交スキルをめぐる原則があることを突き止めている」として、以下の原則を紹介している。
〇第一原則
家の外に出ることというこのシンプルな1点に尽きる。家から出て、相手と知り合わなければならない。家に引きこもることがどれだけ素晴らしいことかなどとはゆめゆめ思わないこと。
〇第二原則
相手と似ていれば似ているほど、その相手は自分を好きになる。
米スタンフォード大学の教授は、ある面白い実験を行っている。見知らぬ男女の写真と数組の夫婦の写真をテーブルに混ぜて置き、誰と誰が夫婦で、誰と誰が他人であるかを被験者に判断してもらった。その結果、正解率がなんと72%にも達するという驚くべき結果が得られた。
彭教授は、「これは、私たちが、自分と似た人を探し求める性質があることを裏づけている。また、他人から見ても2人は似ていると感じる。だからこそ『美女と野獣』というカップルは一般的に受け入れられないのだ。もし相手が好きならば、相手との共通点を探し求める必要がある」としている。
〇第三原則
「慣れ」は、有効な社会関係を築く上で助けとなる。これはつまり、中国人の言うところの「日々一緒にいれば、情が生まれる」にほかならない。誰かを好きになった場合は、できるだけその人のそばにいて、相手に自分を知ってもらい、常に相手の視線の中に入り、慣れ親しんでもらう必要がある。
〇第四原則
互いにウィンウィンの関係を築くこと。友人になりたいのなら、相手に楽しみとメリットをもたらす必要がある。互いにメリットをもたらすことは、人間の天性と言える。
彭教授は、「最後にもう一つ、コミュニケーションにおけるルールも大切だ。相手と交流するときには、もし5つポジティブなことを言うならば、1つだけネガティブなコメントをすること。全部良い話ばかりだと、相手は退屈さを感じる。結局のところ、暮らしというものはなにも光り輝いてばかりというわけではないからだ。この5対1の古典的法則は、『Losadaの法則』として有名だ」としている。
前述した「なぜ私には彼女がいないのか?」と嘆いた英国人数学者には、その後、恋人ができたという。つまり心理学研究を通じて幸福を獲得することは可能だということであり、あなたの理想の相手もすぐ近くにいるかもしれない。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年4月2日