華為(ファーウェイ)は現地時間の26日、フランスの首都パリで新製品発表会を行い、スマートフォンの主力製品の「P30」と「P30 Pro」を発表した。価格は過去最高を更新した。アップルの最近の値下げ戦略を踏まえると、ファーウェイ製品とiPhone(アイフォーン)との価格差は徐々に縮小している。とはいえ利益という点では、ファーウェイを含む中国国産スマホはなお後塵を拝している。「北京商報」が伝えた。
▽最高値のPシリーズ
P30とP30 ProはファーウェイPシリーズの最高価格の製品で、P30は799ユーロ(1ユーロは約124.0円)、P30 Proは最高値モデルが999ユーロだ。3月27日から中国国内で予約受付を開始する。
ここ数年、ファーウェイのスマホ価格は上昇を続け、特に高級機としてのPシリーズとMateシリーズの価格が上昇した。昨年発売された「P20」の4+128GBモデルは649ユーロ、「P20 Pro」の6+128GBモデルは899ユーロだ。P30はP20より約1千元(1元は約16.4円)高く、Proシリーズは約500元高い。
P30は引き続きカメラ機能を中心とし、多くの業界関係者から写真を撮るには「最高」のスマホと評価され、スペックも非常に豪華だ。P30 Proには背面にクアッドレンズカメラが搭載され、メインのカラーセンサーは4千万画素で絞り値はf/1.6、広角レンズは2千万画素で絞り値f/2.2、ズームレンズは800万画素、絞り値f/3.4で光学10倍ハイブリッドズームと50倍デジタルズームに対応する。メインのセンサーとズームレンズには光学式手ぶれ補正(OIS)の機能もある。4つ目のレンズはタイム・オブ・フライト(ToF)方式の3Dカメラだ。
値上げは今や主要携帯メーカーがとる営業販売戦略だ。小米の雷軍会長は今年の「小米9」の発表会で、「これは小米の主力製品で3千元を下回る最後の製品になるかもしれない」と述べた。OPPOやvivoも価格は上昇を続けている。
産業経済ウォッチャーでもあるネットワークプラットフォーム・釘科技の丁少将編集長は、「過去数年間、1千元端末を代表とするミドルエンド・ローエンド市場は競争が激しくなりすぎ、販売量を引き上げる効果はあったが、企業の利益水準とブランドイメージは向上しなかった。ハイエンド市場に近づくことが、ブランド力と利益水準の向上には必要だ」と指摘した。
実際、アップル主力製品は毎年少しずつ価格を引き上げ、昨年はiPhone(アイフォーン)がついに1万元の大台を突破した。ただ中国市場での販売量は大幅に減少しており、アップルは値下げで対応せざるを得ないといえる。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は2019年第1四半期業績予想を発表した際、「販売価格が高すぎてユーザーがiPhoneから遠ざかり、特に中華圏市場のユーザーが遠ざかった。為替レートにより一部の市場で価格の開きが拡大したこともある」と述べた。
ファーウェイは値上げし、アップルは値下げした。こうして両者の価格差はますます小さくなっている。