2019年北京世界園芸博覧会(世園会)が4月29日から一般向けの公開をスタートさせた。今回の世園会には110の海外団体が出展しており、各国の特色を生かした展示を行い、来場者の目を楽しませている。日本は今回、国際園芸博覧会としては初めて国土交通省と農林水産省が庭園と建物という形でコラボし、展示を行っている。人民網が伝えた。
庭園と建物による「庭屋一如」とは?
まもなくこどもの日を迎える日本にちなんで掲げられた鯉のぼりが風に揺れるエントランスから日本庭園に足を踏み入れると、滝から池に注ぎ込む水が涼やかな音を立て、その池の中をゆったりと泳ぐ38匹の錦鯉の姿を楽しむことができる。国土交通省の脇坂隆一国際緑地環境対策官は、「庭園のデザインは山から流れ出てきた水が、滝を伝い落ちて、この池に流れ込むという日本の自然を表現した「池泉(ちせん)式」を用いており、この日本庭園と和風建築があたかも一つになっているような「庭屋一如(ていおくいちにょう)」というコンセプトを意識して作っている」と紹介。
日本産の花卉を身近に、間近に
平屋建ての和風建築の中に入ると、どっしりとした大きな松が出迎え、見る者を圧倒させる。松の醸し出す幽玄な雰囲気から振り返ると、大きなガラス窓越しに、先ほどの庭の風景を眺めることができる。日本展示館の塩谷典子事業統括プロデューサーによると、建物の中にはこのほかにも季節に合わせて2週間に1度展示替えが行われる生け花や、週に1回はマイナーチェンジや季節に合わせたすべてのチェンジが行われるフラワーアレンジメントの作品が展示されているという。
こうした展示作品はその花のあでやかさだけでなく、空間の創り出す美しさは中国画にも通じるところがあり、多くの来場者が思い思いの角度から写真を撮っていた。
日本展示館では今後、花に触れあうワークショップやフラワーアレンジメント教室といったイベントを定期的に行う計画だとしている。(文・玄番登史江)
「人民網日本語版」2019年4月30日