米国の一部政治屋にとって、世界の舞台で演じられるのは米国の一人芝居であり、国際ルールは彼らの手中の操り人形であり、シナリオもストーリーも彼らの一存で決めるべきだ。なぜなら、彼らは米国だからだ。しかし、これでどこに公平性があるというのか?苦労して築かれた国際秩序をどうやって維持するというのか?(人民日報「鐘声」国際論評)
現在、ワシントンの一部政治屋は公正な競争の原則を大いに語りながら、「国家安全保障」の名の下に他国の企業を叩いている。「自由で公正かつ互恵的な貿易」を叫びながら、多国間枠組を避けて最大限の圧力を直接かけている。「ルールを遵守しない」とのレッテルを他国に貼りながら、自国のルールを国際ルールの上に置き、中国やEUの関税対抗措置を「非合理的な法律理論を勝手に作り出した」と非難してすらいる。
米国が約束を遵守しなかった事例は余りにも多い。国連教育科学文化機関(ユネスコ)からの脱退、国連人権理事会からの脱退、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱、気候変動対策に関するパリ協定からの離脱、国連移民協定からの離脱、イラン核合意からの離脱。「ルールに基づく国際体制が脅かされている。脅かしているのが他の国ではなく、体制の構築を主導した米国であることは驚きだ」。トゥスクEU大統領の嘆きは、世界の人々の強い不満を代弁している。
確かに第2次大戦終結後、米国はルールに基づく国際秩序の構築を推進した。だが、米国の一部政治屋は現在国際ルールが「米国第一」の欲求を満たさないのを見るや、「テーブルをひっくり返して立ち去る」と脅し、どうしても国際秩序を弱肉強食の「ジャングルの掟」に変えようとしている。
自国に都合が良ければ利用し、都合が悪ければ破棄する。国際ルールを操り人形のように見る米国の政治屋は、極端な利己主義を露呈している。自国の利益を最大化するためには、各国が一様に受け入れたルールシステムを粉砕することも辞さず、自国だけの利益のために世界を混乱させる。偽善のベールを引き裂いて捨てることも辞さず、途上国を永遠に産業チェーンの末端に留めようと企てる。世界貿易機関(WTO)の研究報告によると、すでに米国は現在までWTOの裁決を遵守しなかった最大の「ルールを守らぬ国」となっており、WTOのルールへの違反の3分の2が米国が引き起こしたものだ。