不確定・不完全さという刺激は、その行為を繰り返す決定を強化させることが、心理学の研究から分っている。このためある一定期間、多くの人が盲盒に夢中になるという現象が起こった。この点から見ると、これは「宝くじ」ととても良く似ており、いずれも「運頼み」という要素を備えている。
「盲盒」の単価は、30元から50元が相場で、かなり強い購買力を備えており、アニメ・漫画や映画・テレビ文化の影響を大きく受けている若者たちがこの巨大な「盲盒経済」を支えている。上流のブランドデザインから、中流の小売、さらには下流の中古品取引やおもちゃの改造に至るまで、その産業チェーンはかなり成熟しており、かつ、市場の可能性は極めて高い。そして当然の如く若者たちの財布の紐を緩め続けている。
ある専門家は、「盲盒経済の影響を受けている人は、ほとんどが社会を知らない未成年者であり、市場リスクに対する判断力はほぼ皆無と言ってよい。したがって、故意に強調された『賞に当たる』確率という誘惑に負けて、彼らは盲盒を買うために消費し続け、目当てのフィギュアを何とか手に入れようとする。あるいは、中古品取引プラットフォームで大枚をはたいて盲盒のフィギュアを買う。いつか価値が上がるだろうと期待してのことだが、彼らは実は、巧みに金を巻き上げられているターゲットになっている可能性が高い」と指摘した。
若者たちは、盲盒そのものから、日常生活の喜びを見出しており、フィギュアを愛するあまりコレクションにふける。また、より多くの若い起業者が、トレンドオモチャのような新興マーケットに自分の起業が成功する秘訣を見出すこともあり得る。だが、若者は理性的な消費や「盲盒中毒」に陥ることのないよう注意する必要がある。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年9月17日