フードデリバリー業の急成長に伴い、夏休みに「宅配員」のバイトに従事することが、多くの学生にとって新たな選択肢となっている。
フードデリバリーサービス「餓了麽(eleme)」がこのほど発表した「2019年大学生宅配員群洞察報告」によると、今年の夏休み、全国で計9896人の大学生が、同プラットフォームでアルバイトとして宅配業務に従事し、うち約5割が大学2年から3年に進級する学生だった。このほか、宅配バイト学生300人以上が9月から大学院に進学する若者だった。
この夏休み、大学生宅配員が多かった都市トップ10は、順に、上海、北京、武漢、瀋陽、杭州、成都、深セン、西安、南京、広州だった。また、大学生の約20%が、見知らぬ都市をバイト先として選び、宅配のバイトを行いながら旅行を楽しんでいた。このうち10%の学生は、故郷を離れ異郷の大学に入学した学生がほかの見知らぬ都市に赴いてバイト旅行をする学生で、約9%は、故郷の大学に入学したが、視野を広げるために故郷を離れた地域で宅配のバイトを行った大学生だった。
また、報告によると、大学生がフードデリバリー宅配員を選んだ主な理由として、「生活体験」、「生活費稼ぎ」、「お金をためて買物をする」、「早く経済的独立を果たす」などが挙がった。このうち、「生活体験」を挙げた学生は全体の38%に達した。多くの若者が、宅配生活を「社会的実践」と見なしており、このバイトをきっかけとして、「性格を変える」、「より多くの人と接する」、「誰も知らない都市の側面を発見する」ことを望んでいた。
「もうすぐ上海で大学院生活をスタートする。宅配のバイトを通じて、上海の環境により早く慣れ、また、生活費も稼ぎたかった」と話すのは、武漢からやって来た顧さんだ。顧さんは、今年9月、上海大学の修士課程1年となり、力学を専攻するという。
報告によると、宅配員バイトを行った大学生の83%は、「宅配による収入に満足している」と答えた。月収1万元(1元は約14.77円)近くを宅配業務で稼いだ大学生も少なくなかった。
短期間であっても、宅配の仕事を経験したことで、大学生らのフードデリバリー業に対する見方にも変化が生じていた。彼らの4分の三は、「フードデリバリー業の将来は極めて明るい」と考えていた。報告によると、宅配バイトを経験した大学生の5割以上は、「将来の職業は、自分の専攻にマッチしたものを選びたい」と答えたが、「将来は宅配員もしくはフードデリバリーに関する職業に就きたい」と希望する学生も10%いた。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年8月29日