3つ目の戦略は、輸出市場を拡大するために、信用保証や政府開発援助(ODA)プロジェクトを採用し、他国に自衛隊の軍事装備を輸出し、国家間の軍事製品貿易発展の意欲を増強していることだ。また日本は「政府開発援助大綱」を改訂し、日本から他国の軍隊への災害救助などに利用される非軍事目的での支援を認め、支援受け入れ国の能力建設を向上させるとともに、安全保障関連分野における切れ目のない支援を実現した。ODA実施の重点が経済ニーズから安全保障ニーズに転換した。
しかし数々の努力にもかかわらず、過去5年間の日本の防衛装備輸出は成功したとはいえない。19年までに、日本は少なくとも10件近い輸出交渉を行ったが、そうりゅう型潜水艦、新明和工業の水陸両用飛行艇「US-2」、川崎重工の輸送機「C-2」と哨戒機「P-1」など防衛装備品の輸出では、ゼロからのスタートを達成できておらず、日本の当初の戦略構想とは大きなずれがある。日本の防衛装備の性能の優位性には魅力があるが、武器輸出を後押しするには至らず、日本の防衛産業発展の国際化、大規模化、高効率化も実現できていない。
日本の防衛装備の対外販売がうまくいかなかった原因は多方面に及ぶ。たとえば日本の軍事企業の市場での経験不足、国際軍事市場の競争の激しさ、日本の武器装備の価格が高すぎること、対象国の実際の要求に合わせられないことなどがあるが、だからといって日本の防衛装備が市場を獲得できないと考えてはならない。前述した日本の戦略の関連措置が推進され、国際市場でのノウハウが蓄積されるにつれ、特に輸出対象国の実際の要求を満たすような調整などが行われるにつれ、日本が防衛装備を受注するのはもう時間の問題だといえる。
防衛装備の完成品に比べ、日本は材料、電子部品、測量機器、イメージセンサー、炭素繊維などの部品分野でより高い技術的優位性を備える。過去には、日本企業が米軍事製品メーカー・レイセオンの長距離地対空ミサイル「パトリオット2」と弾道弾迎撃ミサイル「RIM-161スタンダード・ミサイル3」、米航空機・宇宙船開発製造会社ロッキード・マーティンの艦載武器システム「イージスシステム」などにかかわり、高い科学技術力を備えた軍事関連部品を提供した。日本にとってみれば、これからますます多くの国が大型の新兵器システムを共同開発するようになるのにともない、日本軍事企業は部品分野での技術的優位性をよりどころとしてより多くのチャンスを獲得できるようになるとみられる。同時に、共同開発を通じた技術協力の中で、日本のコスト的劣位性が引き下げられ、技術的優位性が引き上げられ、ひいては日本の防衛装備・技術の輸出をより多く実現できるようになると予想される。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年11月26日
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