中国は24日4時30分、中国文昌航天発射場で「長征5号遥5」キャリアロケットを使い、月探査事業探査機「嫦娥5号」の打ち上げに成功した。ロケットは約2200秒の飛行後、探査機を予定の軌道に順調に送り込み、中国初の地球外天体サンプルリターンに向けた旅を始めた。新華社が伝えた。
同ロケットは打ち上げ後、ブースターの切り離し、ノーズコーンの切り離し、1・2段の切り離し、探査機の切り離しなどを行った。
国家航天局月探査・宇宙事業センター副主任、嫦娥5号任務報道官の裴照宇氏によると、探査機「嫦娥5号」は軌道モジュール、帰還モジュール、着陸モジュール、上昇モジュールの4つからなる。地球から月周回軌道への遷移、月接近制動、月周回飛行の後、着陸モジュールと上昇モジュールの結合体が軌道モジュールと周回モジュールの結合体から切り離される。軌道モジュールは帰還モジュールと結合したまま軌道上に残る。着陸モジュールは上昇モジュールと結合したまま、タイミングを見て月の表側の候補エリアで軟着陸し、計画に基づき月面で自動サンプル採取などの作業を展開する。
情報によると、嫦娥5号任務は次の3つの目標達成を予定している。(1)短期間内の複数軌道打ち上げ、月面自動サンプル採取・密封、月面離陸、月周回軌道におけるランデブー・ドッキング、月サンプル保存などの重要技術の突破により、中国の宇宙技術水準を高める。(2)中国初の地球外天体自動サンプルリターンを実現し、科学技術の進歩を促す。(3)月探査事業の構造を改善し、中国の将来的な有人月上陸及び深宇宙探査に向け重要な人材、技術、物的基礎を蓄積する。
嫦娥5号任務の科学目標には、主に次の内容が含まれる。着陸エリアの地形探査及び地質背景調査を展開し、月のサンプルと関連する現場分析データを入手し、現場探査データと実験室分析データとのつながりを構築する。月のサンプルの系統的かつ長期的な実験室研究を行い、月の土壌構造、物理的特性、物質構成を分析し、月の成り立ちと変化の歴史に関する研究を掘り下げる。
嫦娥5号任務は国家航天局が計画・実施。具体的にはプロジェクト全体と探査機、キャリアロケット、発射場、測量制御及び回収、地上応用の5大システムからなる。
月探査事業は2004年1月に立案され正式に始まってから、嫦娥1号、嫦娥2号、嫦娥3号、再突入飛行試験、嫦娥4号の5つの任務に連続で成功している。また、今回は長征シリーズキャリアロケットの353回目の打ち上げとなった。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年11月24日