中国の科学研究者は月粉塵蓄積質量の現場測量に成功した。同研究成果はこのほど、地球物理学分野の世界トップレベルの学術誌「Journal of Geophysical Research:Planets」に掲載された。新華社が伝えた。
中国航天科技集団有限公司第五研究院第510研究所が明らかにしたところによると、同研究所の月粉塵測量技術研究チームが開発した月粉塵測量装置は、月探査2期プロジェクト嫦娥3号着陸機のプロジェクトパラメータ測量ペイロードで、月粉塵の質量の直接測量に用いられる。
研究者は70万件以上の有効実験データを整理・分析し、月粉塵測量装置の月面活動期間中の太陽・月・地球の天象変化や空間環境などの各種要素が測量データに与える影響を総合的に考慮した。データ反転により探査機の特徴のパラメータと月粉塵沈積質量の間の関係を最終的に解明し、嫦娥3号探査機着陸エリアの年間月粉塵質量を推算した。
同研究所月粉塵測量技術の研究チームによると、月粉塵は月面の最も重要な空間環境要素で、人類が月に再び降り立つ上で優先的に考慮すべき問題だ。宇宙船に付着する様々な月粉塵は、機械構造の詰まり、密閉構造の崩壊、光学システムの感度の低下、部品の摩損、熱制御システムの故障といった多くの故障を引き起こす。月面環境の自然要素が引き起こす月粉塵年間沈積量の測量は、今後の宇宙船の設計により正確なデータを提供し、未来の月に降り立つ任務に参考情報を提供するのに役立つ。
説明によると、月粉塵測量装置とその他のペイロードの探査データを使い、月の地質特徴、小型流星の衝突による粉塵及び宇宙塵への分析を掘り下げることで、今後の粉塵探査に信頼性と有効性の高い大量の科学データを提供できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年9月23日