中国国家語言資源モニタリング・研究センターが4日、「2020年ネット用語トップ10」を発表した。ランク入りしたのは上から順に、「逆行者(流れに逆らって進む人)」、「秋天的第一杯奶茶(秋入りして1杯目のミルクティー)」、「帯貨(ライブコマース)」、「雲監工(クラウド現場監督)」、「光盤行動(食べ残しゼロ運動)」、「奥利給(ゲッスー)」、「好家伙(なんでやねん)」、「奪冠(チャンピオン奪還)」、「不約而同(同じく会わないでおこう)」、「集美(姉妹)」だった。中国新聞網が報じた。
ネット用語には鮮明な言語的特徴があり、ネットユーザーが自分の気持ちを表現し、態度を伝える際の独特なスタイルで、オンラインでもオフラインでも頻繁に使われている。これらのよく使われているネット用語トップ10を通して、ネットユーザーの生活の様子が生き生きと描き出されている。
「2020年ネット用語トップ10」は、国家語言資源モニタリングコーパス(オンラインメディア)をベースにして、スマート情報処理技術をメインに、専門家の意見や検索エンジンの収録状況などを合わせて検討するスタイルが採用され、選出された。モニタリングコーパスは、オンライン掲示板、ニュース、ブログなどさまざまなメディア形式の言葉リソースをカバーしている。今回収集されたオンライン掲示板の一部のデータには、書き込み約30万件、文字数は3億字以上が含まれている。
「2020年ネット用語トップ10」を読み解こう!
一、逆行者(流れに逆らって進む人)
「逆行者」とは文字通り「流れに逆らって進む人」を指し、危機に直面しても身を挺して立ち向かっていく勇敢な人を指す場合によく用いられる。例えば、新型コロナウイルス感染状況の中で、感染が深刻な地域へと向かった勇敢な「逆行者」といった形で使われた。一般の人々の中からも数多くの「逆行者」が登場し、命を懸けて命を守るという新時代の英雄的精神が込められている。
二、秋天的第一杯奶茶(秋入りして1杯目のミルクティー)
秋入りし、恋人や親友、家族への思いやりを込めて「ミルクティー代」という名目で、中国語の発音が「アイラブユー」と似ている52.0元(約830円)を、オンラインのお年玉機能を使って贈るのがトレンドとなった。
三、帯貨(ライブコマース)
「ライブコマース」は、アイドルやネットの人気者、インターネットマーケティング専門家などがライブ配信を通じて商品のPRをすることを指す。各業界がライブコマースに参入しており、地方経済の発展をバックアップしている。
四、雲監工(クラウド現場監督)
新型コロナウイルス感染拡大期間中、ネットユーザー数千万人がオンラインで、新型コロナ感染者受け入れ専門の仮設病院として湖北省武漢市に建設された火神山医院や雷神山医院などの建設現場を24時間態勢で視聴し、「クラウド現場監督」となった。現在では、オンラインで何かの進展を監督するネットユーザーのことを指して用いられるようになった。
五、光盤行動(食べ残しゼロ運動)
中国語の「光盤」とは皿に盛られた料理を全部きれいに食べるという意味。つまり、「食べ残しゼロ運動」とは、節約する習慣を身につけ、食べ物を大切にするよう呼び掛け、食品ロスに反対するキャンペーンとなる。食品ロスに「NO」と言い、普段から食べ物を大切にし、食器に盛られた食べ物は一粒一粒まで、農家の人たちの苦労の結晶であることを決して忘れてはいけない。
六、奥利給(ゲッスー)
「スッゲー」を意味する中国語「給力噢」を逆さ読みした「奥利給」は、ライブ配信パーソナリティーが使ったことで流行した。驚く気持ちのほか、称賛したり、励ましたりする時にも使うことができ、ネットユーザーらは、誇張しすぎたスタンプや一度見たら忘れられなくなる魔性のスタンプ、メロディーとコラボさせて幅広く使用している。
七、好家伙(なんでやねん)
当初は「相声(日本の漫才に相当)」などで、相方の言動や行動に驚きを示す際にしばしば使われた。それが次第にネットユーザーの間で、何かにツッコミを入れたり、何かに驚いた時に使われるようになった。一般的に「好家伙」を付け加えることで、ツッコミや驚きを強調させるために使われている。
八、奪冠(チャンピオン奪還)
これは中国映画「奪冠(LEAP)」がきっかけで流行した。同映画は決してあきらめることなく奮闘する、数世代にわたる女子バレー中国代表チームの姿を描いている。黙々と努力し、最後まであきらめない女子バレーの精神は、「中国の精神」の縮図となっている。
九、不約而同(同じく会わないでおこう)
四字熟語の「不約而同」の本来の意味は、事前に話し合ったわけでもないのに意見や行動が期せずして一致することを指していた。しかし、新型コロナウイルス感染期間中、この言葉には、「不約会(会わない)」と「不聚集(集まらない)」がすでに皆が共に守る「同じ」規則となったことから、「同じく会わないでおこう」という新しい意味が加わった。
十、集美(姉妹)
「集美」はネットから生まれた呼び方で、あるライブ配信パーソナリティーがライブ配信中に、しばしば「姉妹」を指す中国語「姐妹(ジエメイ)」を少しなまって「集美(ジーメイ)」と発音したところ、それをかわいく親しみやすいと感じたネットユーザーたちが真似して、女友達のことを「集美」と呼ぶようになった。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年12月4日