RCEP調印で中日韓FTAはまだ先のことか?

人民網日本語版 2020年12月03日14:25

王毅国務委員兼外交部長(外相)はこのほど日本と韓国を訪問し、両国政府は地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の早期発効の推進、中日韓自由貿易協定(FTA)交渉プロセスの推進に対し、それぞれ積極的な態度を示した。関連分野の専門家の共通した見方では、RCEPの枠組は中日韓3ヶ国の間に経済貿易の橋を架け、中日韓FTA交渉の加速をより一層促進し、これから3ヶ国の協力レベルは次のステップに進み、3ヶ国が共同で繁栄することによって北東アジア地域の長期安定と平和発展に助力することになるという。

RCEPはすでに調印されたため、さらに中日韓FTA交渉を推進する必要があるだろうか。

普通の人からみると、貿易協定は非常に複雑なものだが、そのロジックはすぐに理解できる。中日韓はRCEPというグループに入った以上、さらに中日韓FTAというミニグループを作る必要があるのだろうか。

これに対して、取材に答えた専門家たちは、「RCEPが完全に中日韓FTAの代わりになることはできない。中日韓FTAはよりハイレベルの通商メカニズムであり、3ヶ国の協力のポテンシャルをよりよく発揮させることが可能だからだ」との見方を示した。

北京師範大学経済・工商管理学院の教授で、国際経済・貿易学部長を務める魏浩氏は、「RCEPはASEANが発案したもので、中日韓が主体的な役割を十分に発揮するのは難しく、また両者では関税の優遇レベル、対象商品の範囲などで大きな違いがあり、相互に補完し合い助け合うことができる。RCEPの調印によって中日間、日韓間には新たな自由貿易パートナーシップが構築されたが、中日韓FTA交渉はやはり推進する必要性がある」との見方を示した。

黒竜江省社会科学院北東アジア研究所の笪志剛所長(研究員)は、「中日韓3ヶ国の経済規模、開放レベル、経済の相互補完性を考えると、中日韓FTAではよりハイレベル、より開放的、より模範的な、より牽引的でリード的な3ヶ国協力メカニズムが構築される可能性があり、3ヶ国の協力のポテンシャルを十分に発揮させ、ひいては地域経済の成長と繁栄を推進し、世界経済を後押しする上でプラスになるだろう」と述べた。

専門家は、「中日韓FTAは北東アジアを安定させ、北東アジアを発展させ、北東アジアを繁栄させる上で重要な役割を果たし、地域の長期安定と平和発展に助力することになる」と強調する。

笪氏は、「北東アジア地域は地政学の情勢が複雑で、現在は成熟した多国間経済貿易協力メカニズムがなく、中日韓FTAはこの空白を埋め、経済協力を通じて共同の繁栄をもたらすものになる」と分析した。魏氏は、「FTA建設は北東アジア地域の安定と平和発展を維持する上で重要な戦略的意義をもつ」と述べた。

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