オーストラリア人の目に映る中国「理解すればするほど中国が好きになる」 (2)

人民網日本語版 2020年12月16日11:27

新しい道ができたことやマンションが建ったことはもとより、ジェリーさんは、政府が鉄道を建設することでそれら貧困地区に市場を構築したという点を重要視している。中国でよく耳にする「生活を豊かにするためにはまず道路を通さなければならない」という言葉の意味を肌で感じたのだ。

「小さな街にも鉄道が通った。現地の人は列車を使って商品を中国の他の地域だけでなく、世界各地に送ることができる。また、人々は列車に乗って行きたい所にどこへでも行ける。鉄道が通ったことで、中国西部地区にはたくさんの観光客が訪れるようになったほか、多くの産業や資金も集まるようになった」とジェリーさん。

寧夏回族自治区の今はきれいな住宅が建っている以前窑洞があった場所(画像はジェリーさんが提供)。

数日前、ジェリーさんはオンラインで新疆ウイグル自治区のナツメを購入した。2日ほどで、中国西部の新疆の農場で収穫されたナツメが中国東部の広東中山市に届いた。ネットショッピングにはもう慣れたものの、中国の宅配便の速度には今でも驚かされるという。

中国西部の変化は、「貧困脱却の難関攻略」の縮図の一つだ。広東省と広西壮(チワン)族自治区でも、ジェリーさんは同じような変化を目にしている。

2006年、貧困家庭をサポートするために、ジェリーさんは妻と共に、広西のある村を訪問した。村の道路はデコボコで、仕方なく村から8キロ離れた場所で車を降りて、歩いて進むしかなかった。その途中で、現地の人々はロバに荷物を載せて店まで運んでいるのを目にした。

それから10年が経ち、ロバの姿はなくなり、代わってトラックが走っていた。

豊かな都市が貧しい都市をサポート

「これはとても優れた方法」

中国には、「人に魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」ということわざがある。ジェリーさんによると、西洋にも、それと似た「If you give a man a fish,you feed it for a day.If you teach a man to fish,you feed him for life」ということわざがあるという。

ジェリーさんは、「それは、中国政府が貧困者支援で行っていることで、貧困地区に資金を提供するだけでなく、現地の人々のために相応の資源とスキルも提供している」と話す。

新疆ウイグル自治区を自転車で旅行するジェリーさんと妻(画像はジェリーさんが提供)。

「僕は中国の制度が好き。豊かな都市が貧しい都市をサポートというのが社会主義なのだろう。資金を提供するだけでなく、教育を施し、工場を建設し、現地の人が産業発展の受益者になるようにしている」とジェリーさん。

例えば、「寧夏のワインは、とても印象深い」と言い、「自転車で寧夏を通った際、現地の農民がブドウを栽培し、ワインを作っているのを見た。そして、ワイン産業が形成され、一部の地域は海外からワインの専門家も招聘していた」と説明する。

「寧夏のワイン工場にはオーストラリア人もいた。現地の人のワイン造りをサポートするために、中国が招聘したワインの専門家だ」。

2014年と2019年の寧夏回族自治区の街中の比較。 (画像はジェリーさんが提供)

ここ数年、ジェリーさんは妻と一緒に、広東省河源市と韶関市の貧困家庭をサポートしており、それら2つの地域の発展と変化をその目で見つめてきた。そして、中国の企業家が現地に工場を建設して、現地の人々を雇い、商品を他の地域に販売している様子や現地政府が各世帯にヒヨコを100匹ずつ配布し、それを育てて売ることができるようにしているのを目にしてきた。

甘粛省武威市の羊飼い(画像はジェリーさんが提供)。

「以前、僕と妻は毎年、春節(旧正月)の時などには、子供の教科書や制服などを買うことができるようにと、いつも貧困家庭にお年玉を渡していた。しかし、今では、それら家庭も少しずつ豊かになり、なかには家を建てることができるほど豊かになった家庭まであり、その必要がなくなってきた」とジェリーさん。

中国の大きな変化の目撃証人となってきたジェリーさんは、「これは全国的な計画が必要であるため、中国政府の貧困者支援政策がなければ、こうした変化は起きていなかっただろう」とした。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年12月16日

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