米国は新型コロナウイルスの新たな感染拡大の波を迎えており、新規感染者数、入院数、死者数など感染状況の重要指標が連日激しく再上昇し、直近7日間平均の1日当たり新規感染者数は10万人を超えている。この重い現実を前にしてもなお、米国の政治屋はパンデミックをめぐりスティグマタイゼーションを行い、ウイルスにレッテルを貼り、起源解明を政治的に利用することに夢中になり、責任転嫁の手口を繰り返し弄している。このような行為は、米国で不幸にも失われた人命を無視し、事実や科学、正義を冒涜するものだ。中国のシンクタンクが9日に共同発表した調査報告書「米国が首位?!米国の新型コロナとの闘いの真相」は、米国の新型コロナ対策が不十分なものとなった深層の原因を体系的に明らかにした。(人民日報「鐘声」国際論評)
米ジョンズ・ホプキンス大学の発表した統計では、米東部時間8月8日午後6時までに、米国内で報告された新型コロナウイルスの感染者数は計3575万7980人、死者数は計61万6816人となった。世界で最も進んだ医療技術、最も豊富な医療資源、最も強力な医療・看護能力を持つ米国が、なぜ感染状況の最も深刻な国となったのか?この大きなコントラストの背景には、米国社会の深刻な「基礎疾患」がある。
米国は政治が二極化し、党争が白熱化し、連邦体制が互いに足を引っ張り合い、幾重にも責任転嫁をし、深いレベルの制度的弊害が突出している。感染拡大が始まって以来、米国の二大政党は政治的溝を埋めることができず、新型コロナとの闘いにとって深刻な足枷となってきた。両党間の絶え間なき争いの中で、米国は感染防止・抑制に有利な貴重な時期を逃し、PCR検査、マスク着用、在宅隔離、ワクチン接種、医薬物資の戦略的備蓄・分配、緊急救済法案などに影響が生じた。連邦、州、地方の各レベル間、行政、立法、司法の各当局間の随所に政党間の溝があり、新型コロナ対策は両党間の駆け引きのカードと化し、感染防止・抑制は政治的利用による深刻な内部消耗に陥った。
米国は新型コロナとの闘いにおいて自国の対策が不十分であっただけでなく、世界的な協力も深刻に妨害し、損なってきた。新型コロナとの世界の闘いにおいて、米国は一国主義や「ワクチン・ナショナリズム」、「起源解明テロ」を実行して、「ウイルス拡散国」、「パンデミック発生源容疑国」、「新型コロナとの世界の闘いを阻害した国」と強く非難されている。2020年11月から2021年1月までの、米国の1日当たり新規感染者数は18万6000人だったが、同時期の米国市民の1日当たり出国者数は延べ8万7000人だった。米国の感染ピーク期が米国市民の出国ピーク期と重なったことで、各国で米国からの感染流入が起きた。米国が国際社会の反対を顧みず、国際道徳を無視して不法移民を大規模に送還したことで、一部の発展途上国で感染拡大が激化した。これまで「人権の灯台」を自任してきた米国が、ワクチンを大量に買い占め、原材料の輸出を制限して、「免疫格差」を人為的に悪化させたことに、なおさらに国際社会は失望を深めた。
米国は新型コロナ対策のモデル、ウイルスの起源解明、ワクチンの有効性など科学の問題を政治化し、絶えずデマを作り出し、広め、恣意的に他国を中傷し、非難してきた。「新型コロナウイルス」を「チャイナ・ウイルス」へと改竄し、責任追及と賠償請求を公にわめきたてるよう自国の政治屋を唆し、「研究所流出説」を何度も蒸し返し、起源解明を情報機関にやらせている。米国の政治屋は自らの利益のみに夢中し、パンデミックの政治的利用の悪循環から抜け出せずにいる。米国の著名な学者であるアリソン氏は、「パンデミックの間、米国の政治エリートが中国に矛先を向けたのは、新型コロナ対策失敗の責任を回避するためだ」と直言する。
米国は本来、「新型コロナとの闘いに失敗した国」にならなくてすんだはずだ。だが米国社会の深刻な「基礎疾患」のために、新型コロナ対策という主題に集中することができなかった。米国が新型コロナとの闘いに失敗した根本的原因はここにある。米国の政治屋が引き続き誤りを押し通して非を悟らず、科学よりも政治を優先し、人々の命と健康よりも自らの利益を優先し、新型コロナとの闘いにおける世界の協力よりも自国の覇権を優先することは、米国の新型コロナとの闘いの助けにならないだけでなく、米国の「基礎疾患」を治す助けにもならない。厳しい感染拡大の新たな波を前に、米国は自らの誤りを悟って正しい道に立ち返り、正しい選択をするべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年8月11日