中国海洋石油集団有限公司(中国海油)は30日、中国初の海上二酸化炭素(CO2)貯留モデルプロジェクトが南海珠江口盆地で正式に始動したと発表した。海上油田の開発に伴って発生したCO2を水深800メートルの海底の地層に永久に貯留する。毎年の貯留量は約30万トンで、計146万トン超。これは中国の海洋油ガス開発のグリーンで低炭素なモデル転換の重要な一歩であり、国の「CO2排出量ピークアウト、カーボンニュートラル」の目標達成に向け新たな道を切り開いた。科技日報が伝えた。
中国海油深セン分公司副社長で、チーフエンジニアの張偉氏によると、このモデルプロジェクトは珠江口盆地に位置し、香港から南東方向に約190キロメートル離れている。所在海域は平均水深が80メートル以上で、恩平15-1油田群開発に関連する環境保護プロジェクトだ。「プロジェクトが実施された後、1400万本近くの植樹効果、または100万台近くの乗用車の走行停止に相当する」
張氏によると、CO2の地下貯留は温室効果ガス排出削減の効果的な措置の一つだ。恩平15-1油田群は中国の南中国海における初のCO2を多く含む油田群で、通常の方法で開発すればCO2が原油と共に地上に出る。中国海油は今年に入り、海上CO2貯留に適した地質埋蔵石油、井掘削完了、プロジェクト一体化キーテクノロジーの研究を展開し、海上プラットフォームCO2の収集、処理、注入、貯留、モニタリングのフルセットの技術と装備体制の研究開発に成功し、中国の海上CO2貯留技術の空白を補った。
「油田群の開発に伴って発生したCO2を水深800メートルのかん水層に永久に貯留する」。張氏は、「このかん水層はドーム型の構造を持つうえ、分厚い泥質保護層に覆われている。注入するCO2はドームの下に貯留され、ガスの流出を効果的に防止できる」と説明した。
これまで中国のCO2貯留場の試験は陸上の少数の地域に集中していた。恩平15-1油田群のCO2貯留プロジェクトの実施は、中国のCO2貯留の新産業・新業態を切り開き、海上油ガス田のグリーンな開発に対して重要なモデル的意義を持つ。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年8月31日