中国人民銀行(中央銀行)は8日、二酸化炭素(CO2)排出削減の支援ツールを打ち出すことを発表した。同行はこのツールを通じて金融機関に低コストの資金を提供して、金融機関が主体的に方針を決定し、自らリスクを引き受けることを前提として、CO2排出削減の重点分野の各種企業に対し排出削減のための貸出を平等に行い、金利は同期間・同レベルの最優遇貸出金利(LPR)とほぼ同水準にするという。新華社が伝えた。
同行の関係責任者によると、CO2排出削減支援ツールという構造的金融政策ツールを創設して打ち出したのは、着実かつ秩序があり、正確かつ直接的な方法によって、クリーンエネルギーや省エネ・環境保護、CO2排出削減技術など重点分野の発展を支援するとともに、より多くの社会資金がCO2排出削減の促進に向かうようてこ入れをしたいからだという。
このツールの適用対象は当面の間は全国規模の金融機関となるという。同行は「各金融機関が先に貸出先に貸出を行い、後で人民銀行から融資を受ける」という直接的メカニズムを通じて、金融機関がCO2排出削減の重点分野の関連企業に貸出を行い、条件に合致したCO2排出削減のための貸出に対し、元本の60%に当たる融資を提供し、金利は1.75%にするとしている。
同行の関係責任者は、「CO2排出削減支援ツールの正確性と直接性を保障するため、人民銀行は金融機関に対し、CO2排出削減のための貸出の実施状況と貸出によって達成されたCO2削減量などの情報を公開するよう要求するとともに、専門の第三者機関がこうした情報のチェックと検証を行い、社会と大衆による監督を受けるよう求めている」と述べた。
同行は、「このツールが登場したことで政策のモデル効果が発揮され、金融機関と企業がグリーンモデル転換の重要な意義をよりしっかりと認識するよう誘導し、社会資金がグリーン・低炭素の分野により多く投入されるよう奨励し、企業と大衆に向けてグリーンな生産・生活スタイルや循環型経済などの理念を提唱し、CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標達成への一助になるだろう」としている。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年11月10日