内蒙古(内モンゴル)自治区のスキーヤー。(撮影・韓穎群。画像提供は人民図片)
冬季五輪・パラリンピックの開催を契機として、中国では氷雪関連産業が発展を続け、関連の施設も日増しに整備され、かつてニッチな存在だったウィンタースポーツが今や人気スポーツだ。そうした流れの中で生まれた氷雪体験イベント、氷雪研修、氷雪観光などの新業態が、ますます大きな市場を形成している。
ウィンタースポーツには一定のハードルがあり、ウェアや道具をそろえるところから始まって、研修を受けるにも練習をするにも、一定の消費能力が必要とされる。スポーツとしてのニーズが消費意欲を高め、社会経済の発展、生活レベルの向上に伴って、多大なポテンシャルと可能性を示している。京東プラットフォームのデータによれば、今年の「ダブル11(11月11日のネット通販イベント)」には、スキー関連の商品受注量が前年同期比で23倍増加し、氷上で使用する装備の取引額が同15倍増加した。
新疆の烏魯木斉(ウルムチ)市で、スキーのレッスンを受ける子どもたち。(撮影・張秀科。画像提供は人民図片)
氷雪関連消費のもう1つの「爆発ポイント」は氷雪観光だ。家族や友人と連れだって、近場のスキー場で過ごすのが新たなトレンドになっている。「中国氷雪観光発展報告(2021)」によると、回答した消費者の55%が「長距離の氷雪観光に出かけたい」と答え、82%が「短距離の氷雪レジャー旅行に出かけたい」とした。氷雪を軸にして、飲食や宿泊など関連の産業・サービスが牽引され、氷雪観光の付加価値が現地の経済発展にますます活力を与えている。
スキー歴6年になる北京市民の姚佳美さんは、10ヶ所以上のスキー場に行ったことがあると言い、「滑り終わって温泉に入り、現地の特色あるグルメを味わい、お土産ショップを回るのは、本当に楽しい。『氷雪ブーム』はつまるところ、人々が経済的に豊かになって、氷雪に関連したことにお金を使う能力と意欲を持つようになったということを示している」と話した。
「中国氷雪観光消費ビッグデータ報告(2020)」によると、2018年から19年のウィンターシーズンに、中国の氷雪観光客数はのべ2億2400万人に達し、氷雪エリアを目的地とした1回の旅行で観光客1人当たりの消費金額は平均約5千元(1元は約18.0円)だった。氷雪関連消費がますますヒートアップし、上昇傾向のデータの背後に、中国氷雪産業発展の黄金チャンスが見え隠れしている。
湖北省襄陽市で、スケートのレッスンを受ける子どもたち。(撮影・楊東。画像提供は人民図片)
氷雪ブームが無限のビジネスチャンスをもたらしたことを、氷雪関連施設の経営者が最も肌身に感じている。北京市朝陽区の陳露国際氷上センターは、毎日朝から晩までフィギュアスケートやアイスホッケーの教室が大盛況だ。楊一瑋社長は「2017年に営業をスタートした時には、アイスホッケーのチームは1つしかなかったが、今は8チームに増えた」と話した。
国家体育総局のまとめたデータでは、21年初め、全国には標準型スケートリンクが654ヶ所と屋内外の各種スキー場が803ヶ所あり、15年に比べてスケートリンクは317%増、スキー場は41%増だった。
冬季五輪の招致に成功してからの6年にわたり、ウィンタースポーツは徐々に全国に広がり、オールシーズン営業するようになり、氷雪産業の地位もますます向上した。「2021年中国氷雪産業発展研究報告」では、15年から20年までの間に、中国氷雪関連産業の全体的規模が2700億元から6千億元に拡大した。また「氷雪スポーツ発展計画(2016-25年)」によれば、25年には中国の氷雪関連産業の全体的規模が1兆元レベルに達するという。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年11月24日