哈爾浜(ハルビン)工業大学が11日に明らかにしたところによると、同大環境学院の馬軍院士のチームとアブドラ国王科学技術大学(KAUST)の頼志平教授のチームが共同で研究開発に取り組み、膜法水処理技術の研究分野で重要なブレイクスルーを達成した。その成果はこのほど国際的な学術誌「アドバンスド・マテリアルズ」に掲載された。同研究は超高スループット多孔質グラフェンシートを設計・合成するとともに、低品質エネルギーの利用により高効率で持続可能な海水淡水化を実現した。科技日報が伝えた。
世界で深刻化する水資源不足と、現在の海水淡水化技術の大きなカーボンフットプリントを受け、低エネルギー消費の持続可能なソリューションが必要とされている。膜蒸留法(MD)はエネルギー駆動水蒸気浸透膜を利用し、高品質の浄水を作るのは、応用の高い将来性を持つ海水淡水化技術であると同時に多くのゼロエミッション工程における基幹コア技術でもある。しかしMD膜の低スループットが、技術の幅広い応用を妨げる主なボトルネックになっている。
これを受け、ハルビン工業大学の馬氏のチームはサウジアラビア・アブドラ国王科学技術大学の頼氏のチームと共同で超高スループットナノ多孔質グラフェンシートという新技術を打ち出した。そのプロセスでは、2回の穴あけと移転が不要だ。得られるグラフェンシートは水蒸気に極めて短くスピーディな伝送ルートを提供し、これまで発表されているMD膜のスループットを1桁上回り、脱塩率は99.8%以上で、海水淡水化における応用の高い潜在力と優位性を示している。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年2月14日