深セン華大生命科学研究院が主導し、複数の国の科学研究チームが参加した初の非ヒト霊長類(アカゲザル)全身器官細胞トランスクリプトームアトラスがこのほど、国際的な学術誌「ネイチャー」に掲載された。これは世界初の非ヒト霊長類の全身器官細胞トランスクリプトームアトラスだ。
論文の筆頭著者で深セン華大生命科学研究院の韓磊博士は、「このアトラスは一枚の地図のようなものだ。これがあれば生命細胞分解能を探る高精度機器を手にしたようなもので、各器官にどのような細胞があるかを『見る』ことができ、さらに各細胞の具体的な分子的特徴及びその他の細胞との相互関係を細かく知ることができる。これは生命の基本構造の認識を深め、疾患と細胞の関係を探究する基礎を固める上、関連疾患の正確な治療に新たな方向性を提供した」と述べた。
研究チームは深セン華大智造科技股份有限公司が独自に研究開発した単細胞バンク構築・シーケンシングプラットフォームを利用し、成年アカゲザル全身の45器官の細胞約114万個の単細胞シーケンシング分析を行い、これを113種の主要細胞タイプと463種の細胞サブグループに分け、さらに非ヒト霊長類の100万個単細胞インタラクティブ資源ウェブサイトを構築した。
論文の共同連絡著者の一人で深セン華大生命科学研究院の徐訊院長は、「この研究成果は種の進化、人類の疾患、薬品の評価とスクリーニングなどの関連研究に用いられる。生物医学の発展に基礎的な資源とツールを提供し、疾患の診療と標的薬の開発を後押しし、人類の生命進化の探求をよりよくする可能性を提供する」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年4月21日