中国は昨年に1基目となる太陽探査衛星「羲和号」を打ち上げ、今年10月9日には総合的な太陽探査衛星「夸父1号」も順調に打ち上げた。北京大学地球・宇宙科学学院教授で、中国科学院太陽活動重点実験室の田暉室長は、「中国は昨年より宇宙太陽探査時代に正式に入ったと言える」と述べた。科技日報が伝えた。
世界各国は1960年代より太陽探査関連の衛星を数十基相次いで打ち上げてきた。この国際的な太陽探査のブームにおいて、中国も太陽物理学の研究に参加した。中国科学院紫金山天文台研究員で、先進的宇宙太陽天文台(ASO-S)の首席科学者甘為群氏によると、中国の太陽物理の研究は国際的に高い地位を占めている。中国が太陽物理分野で発表した論文の総数は、2010年に世界2位となった。
昨年打ち上げられた「羲和号」は、中国の太陽探査プロジェクトの「先駆者」と呼べる。一方で、「夸父1号」は太陽観察の複数の手段を持ち、紫外線、可視光線、X線バンドなどにより太陽を観測できる。
上述した2基の衛星以外にも、昨夏打ち上げられた気象衛星「風雲3号E星」に搭載された太陽X線・極紫外線イメージャーは、中国の宇宙におけるコロナ探査を初めて実現した。さらに今夏打ち上げられた中国科学院宇宙新技術試験衛星に搭載された46.5ナノメートル極紫外線太陽イメージャーは、中国の太陽遷移層に対する探査を初めて実現した。
田氏は、「中国はすでに太陽大気の各層の探査を実現した。地上望遠鏡の可視光線、赤外線、電波探査と合わせて、中国はすでに総合的な太陽観測ネットワークをほぼ構築した」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年10月25日