11月21日、FIFAワールドカップカタール2022が開幕した。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、「今大会は世界中で50億人が観戦することになるだろう」と述べた。これまでマーケティングに大金をつぎ込んできた自動車メーカーが4年に1度のこのスポーツの祭典を見逃すはずはない。
大まかな統計によると、現代自動車(ヒョンデ)、フォルクスワーゲン(VW)、BMW、トヨタ、フィアット、上海汽車名爵(MG)などのメーカーが今大会に出場するチームのスポンサーになり、うち上海汽車名爵は唯一の中国メーカーだ。トヨタは意外にも日本チームではなく、開催国のカタールとカナダのスポンサーになった。
チームのスポンサーになる以外にも、多くの自動車ブランドがW杯の勢いに乗ろうと先を争ってきた。早くも2018年、長城汽車がポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドと自社のイメージ大使になる契約を結んだ。東風日産が中国中央テレビ5チャンネル(スポーツチャンネル)のW杯開催期間中の指定車両になった。また今年、鄭州宇通客車股份有限公司製造のバス約1500台がW杯に輸送サービスを提供している。
自動車メーカーがこれほどW杯に関心を寄せるのはなぜ?
業界関係者はこれについて、「W杯はグローバル市場に展開した自動車メーカーにとって極めて高いマーケティングの価値がある。W杯の勢いに乗れば、ブランドの影響力を世界的に高めることができ、さらには市場シェアと売り上げの伸びにもつながる」と分析した。
北京特億陽光新エネルギー科技有限公司の祁海珅会長は、「自動車メーカーがW杯や人気のスポーツイベントのスポンサーになるのは、長年にわたって行なわれてきたマーケティング手法だ。スポーツイベントのターゲットは幅広く、特にW杯のような世界的なイベントだと、サッカーファンだけでなく、サッカーに関心のない人までムードに乗ってくる。自動車メーカーはスポンサーになることによってブランドイメージの向上に役立つ。中国の自動車メーカーは普遍的にモデル転換の必要があり、まずは低級車から高級車、豪華車へのモデル転換が必要だ。次にガソリン車から新エネルギー車とスマートコネクテッドカーへのモデル転換を加速させることも必要だ。この2タイプのモデル転換ニーズにおいては、購買力のある中年層、およびスポーツとテクノロジーが好きな若者が主要なターゲットだ。これは自動車メーカーがスポーツとゲームにしばしば関わりを持つ理由でもある」との見方を示した。
早くも1999年、ヒョンデは初めてFIFAと提携し、15億ユーロ(1ユーロは約144.7円)を支出してFIFA公式スポンサーになった。
その後、ヒョンデは大きな成果を上げた。データによれば、02年の韓日ワールドカップ開催後、米国市場での売り上げが40%も急増し、ブランド認知度はW杯以前の32%から67%に跳ね上がった。巨額のスポンサー料により、ヒョンデは間違いなくブランド知名度と売り上げを伸ばすことができた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年11月24日