FIFAワールドカップ(W杯)カタール2022が20日に開幕した。「W杯」の経済効果がもたらす消費動向を見ると、史上初の「冬開催」となったカタール大会は、夏開催のW杯に引けを取らない盛り上がりとなっている。多くのECプラットフォームの統計を見ると、中国ではバーベキューやお酒、ドリンクを含む、夜食のデリバリーの売上高が急増している。また「自宅でサッカー観戦」するためのプロジェクターや電気鍋などの売上が前年同期比160%以上増となっている。
上海では一部のレストランで予約満席に
W杯が開幕するや、上海のサポーターはまず「胃」のウォーミングアップをしっかりとしている。デリバリープラットフォーム「美団」のW杯をテーマにしたデリバリー商品の都市別売上ランキングトップ10を見ると、上海がトップに立っている。別のデリバリープラットフォーム「餓了麽(Eleme)」の統計によると、開幕前3日間の夜食の時間帯、上海のお酒やドリンクの売上高が約50%増となった。美団の統計によると、豚肉や鶏肉、牛肉などの串焼きの売上高が上海でトップに立っている。また、火鍋やカットフルーツ、ビール、お菓子なども、サッカー観戦の「必需品」となっている。
今年のW杯の試合の多くは、北京時間の深夜開催となるため、夜更かししてW杯を観戦する主力はやはり若者となっている。W杯セットの購入者の60%以上は30歳以下の若者で、セットの55%が午後8時から夜中の2時の間に配達されている。
デリバリープラットフォームは、「W杯」特別配送サービスも提供している。上海のサポーターは、「事前予約」を通して、配達時間を「試合前」、「試合後」または「ハーフタイム」の中から選ぶことができる。これにより商品を受け取りに行っている間に、最高のシーンを見逃すことを避けることができる。
大人気となっているオンラインデリバリーのほか、オフラインのレストランやバーもしっかりと準備をしている。口コミサイト「大衆点評」の統計によると、「W杯レストラン」や「サッカー観戦できるレストラン」といったキーワードの検索回数が前月比で556%増となっている。全国で「サッカー観戦できるレストラン」が最も人気となっているのは上海で、特に午後9時以降の予約が殺到している。上海のある焼肉店の責任者によると、「重要な試合がある時間の予約率はすでに100%になっている。そのため席を増やすことを考えている」という。
火鍋が冬開催W杯のダークホースに
複数のECプラットフォームの統計をまとめると、サポーターがW杯観戦のために準備している人気の食べ物は、旬の果物やお菓子、インスタント食品だ。また、夏開催の場合に人気となる「ザリガニ」に変わって、今回は火鍋とフライドチキンの組み合わせが大人気となりそうだ。
従来の「サッカー観戦グルメ」と異なり、今回のW杯では火鍋が「ダークホース」となりそうだ。火鍋は、デリバリープラットフォームで売上高が目に見えて上昇しているほか、電気鍋の売上高も前年同期比で160%増に達している。つまり、買ってすぐに配達してもらい、温かい鍋を楽しみながらサッカー観戦というのが、今回のW杯においてトレンドとなっているのだ。
美味しいものを食べたり飲んだりしながらサッカー観戦をするほか、多くのサポーターは自宅にプロジェクターや大型ディスプレイ、スピーカーなどを設置しているほか、リビングに好きなチームのユニフォームや旗を飾ったりして、没入型の観戦環境づくりにも励んでいるようだ。美団の統計によると、プロジェクターの売上高が前年同期比211%増、スピーカーが同比225%増、各種変換ケーブルが同比115%増となっているほか、ルーターやWi-Fiの電波を強くする機器などの売上高も伸びている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年11月23日