税関総署が7日に発表したデータによると、今年1-5月の中国の輸出総額は前年同期比8.1%増の9兆6200億元(1元は約19.5円)だった。そのうち「新・三種の神器」の輸出の急速な伸びに牽引された電気機械製品の輸出が、同9.5%増加して輸出総額の57.9%を占め、輸出全体の成長率を2ポイント引き上げた。
「新・三種の神器」とは、電気自動車、リチウム電池、太陽電池を指す。植信投資研究院の常冉上級研究員は取材に、「アパレル、家具、家電がかつての中国対外貿易の輸出における『旧・三種の神器』で、今は『新・三種の神器』が加速的に発展し、輸出全体の伸びを牽引する力がますます強くなっている」と分析する。
データを見ると、2022年には「新・三種の神器」が中国の輸出全体の伸びを1.7ポイント牽引し、今年に入ると牽引的役割がさらに増大した。同時に、各地が「新・三種の神器」の輸出を巡り競うように力を発揮して急増傾向を示し、中国の「新・三種の神器」の輸出が世界200ヶ国・地域以上をカバーするよう後押しした。
今年1-5月には、江蘇省の「新・三種の神器」輸出額が同30%以上増加して879億元になった。浙江省の太陽光発電企業は中央アジア5ヶ国の市場を積極的に開拓して、1-4月の同省の対中央アジア5ヶ国の太陽電池輸出量は同6.4倍の8万6000個に達した。福建省の1-4月のリチウム電池輸出額は同159.5%増の389億1000万元で、11ヶ月連続の倍増となり、主要市場の欧州連合(EU)と米国への輸出額は省全体の同製品輸出額の83.1%を占めた。
「新・三種の神器」の輸出が目を見張る成果を上げた背後には、産業の発展レベル上昇と製品の競争力向上があり、サービスが最適化を続けたこともある。
浙江省にある晶科エネルギー股份有限公司で拠点物流運営を担当する李睿サブディレクターは、「当社が独自開発した新製品は従来製品に比べて効率が3-4%向上し、変換効率がより高く、減衰率(経年劣化)がより低く、単位面積あたりの発電量がより多いといった優位性があり、海外市場で人気がある。中央アジア市場は当社が新たに開発した市場で、第2四半期(4-6月)にこれらの市場に送られる予定の注文は300万元分近くある。この過程で、税関は特に当社のために企業サポートの専門要員を派遣して空コンテナを割り当ててくれ、積み込み・輸送・輸出がスムーズに行われるようサポートしてくれたので、物流コストが大いに節約出来た」と述べた。
江蘇省常州市では、今年1-5月のリチウムイオン電池輸出額が同64%以上増加して32億元近くに達した。常州税関の李浩副関長は、「新エネルギー製品の輸出の要求に対し、当税関は『申告・検査・許可』の全プロセスにわたる輸出サービスパッケージをオーダーメード式で打ち出し、新エネルギー製品の輸出のためにより安全で円滑な通関環境を作り出し、中国の新エネルギー自動車産業がグローバル市場でより多くの発展のチャンスをつかまえられるよう力強く促進している」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年6月9日