习专栏

如何なる報告書も原発汚染水海洋放出という間違った決定を「美化」できない

人民網日本語版 2023年07月21日15:38

国際原子力機関(IAEA)が日本の福島原発汚染水の処分に関する包括報告書を発表した後、日本の原子力規制委員会は東京電力に福島原発汚染水の海洋放出設備の「合格証」を速やかに交付した。日本政府は最近、今夏に福島原発汚染水の海洋放出を始める計画に「変更はない」と再び公言した。日本がIAEA報告書を海洋放出開始の「許可証」として、原発汚染水の海洋放出という間違った決定の「美化」を企てていることを、様々な兆しは示している。(人民日報「鐘声」国際論評)

日本のやり方は完全に自らを欺き、人も騙すものだ。IAEA報告書が作成された経緯については、日本は自身でよく分かっているはずだ。日本がIAEAにレビューを要請したのは、2021年4月に原発汚染水の海洋放出計画を一方的に発表した後であり、さらにその権限の範囲を放出計画のレビューに限定した。IAEA事務局長も報告書の序文で、この点を明言している。これは、日本が原発汚染水海洋放出の実施をあらかじめ決定していたこと、そしてIAEAによるレビューが体裁を取り繕って人々の耳目を惑わすために過ぎなかったことを十分に物語っている。

IAEA報告書は、日本が強引に推し進める原発汚染水の海洋放出に対する国際社会の懸念を払拭できず、反対にさらなる問題視の声を引き起こした。IAEAは権限が限られていたため、日本側が一方的に提供したデータと情報を審査・レビューし、日本側が一方的に採取した少量の原発汚染水サンプルについて研究機関間の比較分析を行ったに過ぎない。日本の海洋放出案の正当性や合法性は審査しておらず、日本の浄化装置の長期的有効性に対する審査を行っておらず、日本側が提出した原発汚染水データの真の精確性に対する確実な証明もしておらず、さらには可能な代替案の十分な検証も行っていない。原発汚染水のサンプリングは著しく代表性に欠け、その結論は限定的かつ一面的である。IAEA報告書は、IAEAが日本側に海洋放出案の採用を提言しておらず、海洋放出案にお墨付きも与えてもいないことを明らかにしている。日本はIAEA報告書を海洋放出の「許可証」とするべきではないし、そうすることもできない。

IAEAは日本の「多核種除去設備(ALPS)による処理後の原発汚染水の安全性に対するレビュー・審査を行ったが、その報告書は日本の原発汚染水浄化装置の信頼性と長期的有効性を保証するものではない。日本の原発汚染水処理の鍵となる設備である「ALPS」は、早くも2013年に試運転を開始したが、2022年3月になってようやく日本の原子力規制委員会の検査に合格した。「ALPS」は運転中も問題が発生し続け、2016年には4ヶ所の漏水が見つかり、2018年にはいわゆる「処理水 」に含まれるストロンチウムなどの放射性物質が基準値を超えていることが暴露され、2021年には排気中の放射性物質を吸着するためのフィルターの半数近くが破損していた。こうした点からも、「ALPS」が技術的に未成熟で、安全性に疑問が残ることが分かる。日本の原発汚染水放出プロセスは30年間、さらにはそれ以上続く。設備の持続的な腐食と老朽化は、原発汚染水排出の基準不適合度をさらに悪化させるだろう。

日本がIAEA報告書を権威あるものとするのは、さらに大きな間違いだ。実際、IAEA憲章は放射性物質の処分について決定する権限をIAEAに与えていない。日本の原発汚染水海洋放出計画に対する審査・レビューは、IAEA事務局長の任命したタスクフォースによって行われたが、報告書はレビューに参加した専門家全員の意見を十分に反映したものではなく、その結論は各専門家の一致した賛同を得ていない。IAEA事務局が報告書案についてタスクフォースの専門家に意見を求めた時間は非常に限られており、意見のフィードバック後に修正や意見の採用状況について改めて議論することもなく、慌ただしく報告書を発表した。また、韓国メディアの報道によると、事情を知る匿名の関係者は、日本政府がIAEAの最終報告書案を事前に入手したうえ、具体的な修正意見を示し、最終報告書の結論に不当な影響力を与えたと語った。これは、日本の原発汚染水海洋放出に対する国際社会の懸念を一層激化させ、IAEA報告書の結論の公正性・客観性に対する人々の疑問も招くこととなった。

福島原発事故の汚染水の処分問題は、アジア太平洋地域及び全世界の生態環境の安全に関わり、各国の人々の生命と健康に関わる。原発汚染水の海洋放出は前例がなく、「許可証」はないし、あるべきでもない。日本はIAEA報告書で海洋放出のお墨付きを得たことにしようと苦心するのではなく、国際社会や国民の懸念を正視し、海洋放出計画を強引に推し進めるのを止め、科学的で安全かつ透明性ある方法で原発汚染水をしっかりと処分するとともに、厳格な国際的監視を受け入れるべきである。(編集NA)

「人民網日本語版」2023年7月21日

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