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欧州に続き日本でも「馬肉スキャンダル」発覚

中国メディアが見る日本

 欧州全域を揺るがした「馬肉スキャンダル」は、人々が食の安全に対する見識を深めるための良い教訓となった。今月に入り、日本でも新たな「馬肉スキャンダル」が発覚した。日本のケースは、馬肉を牛肉に混ぜて販売したのではなく、加熱用の馬肉を生食用と偽装表示して売り出したというものだ。長野県警は14日、「不当競争防止法」違反容疑で、県内の馬肉専門加工会社「大成」の家宅捜索を行った。人民日報が報じた。

 今年2月、石川県にある2軒の焼き肉店で食事をした5人が、嘔吐などの食中毒症状を呈した。5人は全員、馬肉ユッケを食べており、うち4人から腸管出血性大腸菌O(オー)157が検出された。2軒の焼き肉店はいずれも、馬肉を大成から仕入れていた。

 長野県伊那保健所食品生活衛生課の清澤氏は、「保健所は、2月28日に大成の取り扱っている馬肉に対する調査を開始した。同社の低温倉庫に保管されていた馬肉からは腸管出血性大腸菌O157は検出されず、5人の食中毒の直接的原因と特定できなかった。しかし、同社の領収書から疑わしい点が見つかった」と話した。その後、馬肉の流通ルートを調べた結果、同社は2012年1月から2013年2月まで、加熱用馬肉32トンを「生食用馬肉」と偽装表示して販売していたことが判明した。

 長野県警生活環境課の竹内氏によると、伊那保健所が大成による馬肉の偽装表示を突き止めた3月11日、会社側から警察に偽装について申告してきたという。大成の元役員は、生食用馬肉が不足して供給に追いつかなくなったため、偽装を行ったことを認めている。同社が輸入した馬肉は、日本国内の飲食企業2千社に出荷されており、取扱量は日本の輸入馬肉全体の4割を占めている。長野県の関連部門は、腸管出血性大腸菌O157大腸菌が検出された馬肉約230キログラムの回収と営業停止を大成に命じた。

 日本では、生食が非常に好まれる。魚の刺身だけではなく、鶏肉、牛肉、馬肉なども生で食される。2011年4月、国内で牛肉ユッケによる集団食中毒事件が起こり、腸管出血性大腸菌感染症で5人が死亡した。事件発生後の厚生労動省による調査の結果、牛肉と牛レバーを生食すると食中毒の危険性があることが明らかになった。同年10月、日本政府は生食用牛肉に対する衛生基準を厳格化したが、食中毒事件の前例がほぼ皆無だった馬肉については、基準の見直しは行われなかった。日本の食品衛生法では、生食用食肉を販売する際、販売企業による政府への届出義務は規定されていない。地方自治体も、生食用食肉を販売している企業の実態を把握していないことから、新基準実施後も、一部の企業は、条件を満たしていない生食用牛肉をこっそりと販売し続けていた。多くのレストランでは、仕入れコストが安いことから、生食用牛肉の代わりに生食用馬肉を提供するようになった。このため、大成の馬肉卸売数量は大幅に増加した。

 田中さんという青年は、「今後しばらくは、生の肉は食べません」と話した。また、中年の佐藤さんは、「生肉による食中毒事件が2度と起きないよう、政府には、生食を提供するレストランに対する監督管理を強化してほしい」と語った。(編集KM)

 「人民網日本語版」2013年3月15日

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