中国、ネットカフェに6年間住みつく男性
最近、吉林省長春市の吉林大学近くにあるインターネットカフェである男性と肩がすれ違った。しかしその瞬間、明らかに普通ではない雰囲気を感じた。顔は青白く、髪も肩まで伸びており、頭を下げて足元を見て、速足で通り過ぎていったのだ。同カフェの店長によると、この男性は、食事を買いに行く時以外は一歩たりともこのカフェから動かない生活をもう5、6年続けているという。城市晩報が報じた。
■心理学者がネット中毒の男性救出を試みる
大学を卒業して6年というと、その間にどれだけ多くのことができるだろう。仕事である程度の業績を上げた人や、結婚し子供ができ幸せな暮らしをしている人もいるだろう。毎日の生活の中で、時には思い通りに行かないこともあるが、それでも多くの人が明日に希望を持って励んでいるはずだ。
最近、吉林大学心理学部の丁建略・准教授(中国人民大学社会心理学博士)に、同大学の近くにあるインターネットカフェに、5、6年住みついている男性がいると聞いた。同男性は誰ともコミュニケーションを取ろうとせず、毎日一心にゲームをしているだけで、春節(旧正月)の時でさえそこから離れないという。そして眠くなると机の上にうつむいて眠り、目が覚めるとまたゲームばかりしているという。
丁博士はこれまでに、この完全にインターネット中毒の男性の心に潜むものを知り、助けようと、同カフェを訪れたが、完全に拒絶された。「何を言っても、ほかの人と交流するのを拒絶する」。一方、カフェの店長によると、「素直だし、嫌な感じはしない。もう何年にもなるため、みんな彼のことに慣れている」という。
最近、筆者も同カフェを訪れてみた。2階にあるため、階段を上っていると、背が低く、肩まで髪が伸びた男性とすれ違った。直感的に、普通ではない雰囲気を感じた。速足で歩き、頭を下げて自分の足元を見つめ、急ぐように通り過ぎて行ったのだ。
スタッフに事情を話すと、77番のパソコンの隣に案内してくれた。「彼は今食事を買いに出て行ったところ」だった。