「日本で身につけた悪習慣40」、中国のネット上で話題
「しょっちゅう玄関の鍵をかけ忘れるが、そのことを思い出してもあまり気にしない」「知人かどうかよく分からなくても、眼が合うと会釈する」「玄関でチャイムが鳴れば、誰なのか確かめもせずにドアを開ける」-----。これら3つの行為は、中国のネット上で最近話題になっているブログ「日本で身に付けた悪習慣40」の悪習慣の一部だ。ブログの著者は、早稲田大学を卒業して中国に帰国した海外帰国組だ。海外帰国組の多くは、「信用」が話題に持ちあがると、外国の他者に対する信用度の高さについて認めている。人民日報海外版が報じた。
■「玄関の鍵をかけない」VS「玄関のドアを決して開けない」
中国社会科学院が年初に発表した「社会心理状態青書」によると、中国社会では現在、他者に対する信用度が全体的に低下しており、人と人との信頼関係がますます弱まっている。「圧倒的多数の他人は信頼できる」とした人は半数にも満たず、「見知らぬ人は信じない」という人が2、3割を占めた。国内での他者に対する信用度に関する質問に対する海外帰国組の答えも、決して楽観的なものではなかった。「帰国後、心理的なギャップを調整するのにある程度の時間がかかった」「外出する時に玄関の戸締りをしたかどうか確認するのは、その典型だ」「独りで家にいる時、誰かが玄関のチャイムを鳴らしても、ドアを開けようとはしない」----。半年前に海外から帰国した戴さんはこう話す。
「玄関の鍵をかけない」と「(誰かが来ても)玄関のドアを決して開けない」とは、全く異質の行為であり、これらは、2種類の全く異なる文化を基盤とした「信用の最低線」を示している。海外から帰国してかなりの年月が経過した劉さんは、「実のところ、国内と海外のギャップはそれほど大きいものではない。帰国直後は、上手く適応できないだけだ。例えば、海外で見知らぬ人に微笑むことが習慣になり、帰国後もそれをすると、相手の中国人から大変いぶかしげに思われてしまう」と残念そうに肩をすくめて話した。そして、「中国人の間には、『知らない人とやたら話をしない』『知らない人がくれるものを受け取らない』という考え方が根付いていることに違いがある」との見方を示した。
■まずは「信用の危機」をしっかり認めるべき
厦門市留学生聯合友好会秘書長を務める厦門大学教育研究院の楊広雲・副院長は、5年間、ロシアで生活した体験がある。国内での「信用の危機」について、楊氏は、「ロシアである時電車に乗っていて、中国語に興味があるという現地女性と知り合った。彼女とはその後、20-30年間友人関係が続いている。このようなことは、今の中国社会ではまずあり得ない。市場経済の発展に伴い、中国の社会・経済レベルは著しく向上したが、それと同時に発生した、社会における価値観の危機についても見逃してはならない」と指摘した。モラル低下や舞い上がり気味の社会的風潮はいずれも、「信用の危機」を中国に生み出した重要な原因となっている。