「禁煙」は簡単だが「スマホ断ち」は難しい? (3)
○「自己コントロール」を学び、頭のなかに「空っぽの引き出し」を用意する
専門家は、情報依存症の対応策として、次のように提言している。
「ボーっとする時間、誰にも邪魔されない一人の時間、あれこれ空想に耽る時間、何もすることのない手持ち無沙汰な時間は全て、思考する上で最高のタイミングで、考えを深める貴重な時間だ。だが、今の若者は、「断片的」な情報を「棚からボタモチ」式に得ることを望み、わざわざ立ち止まって考えようとはしない。脳のなかに『空っぽの引き出し』を用意して、他人の世界から自分という存在をある程度引き離せば、自分の本当の存在感を探し当てることができるだろう。」
誰もが、自分について冷静かつ客観的に観察しなければならない。知らず知らずのうちに「情報依存症」に陥ってはいないか?スマホやバーチャルの社交空間に依存しすぎる「うつむき族」になっていないかどうか?もしそういった傾向に気づけば、適宜コントロールする必要がある。復旦大学心理研究センターの孫時進・教授は、「情報依存症は、アルコール依存やタバコ依存と類似点がある。大人は、自制心が強いので、意志の力で自分の性癖を変えることができる。さらに重要なことは、さまざまな趣味を探し、注意力をそちらに向けること。そうすれば、徐々に依存から脱することができる」との見方を示した。
モバイルインターネットが発達している米国では、多くの人が、「情報依存症」がもたらすマイナスの結果について意識し始めている。米デューク大学に留学中の李萌さんは、米国の状況について次の通り紹介した。
米国の若者たちは、さまざまな「スマホ依存から脱出する方法」を編み出している。たとえば、友人達で集まる場では、皆のスマホで「ピラミッド」を組み立てる。もし、誰かが我慢できずにスマホを手に取れば、その人が会食の勘定を持たなければならない。このほか、多くのネットユーザーからは、「一時間ネット断ち」「一日スマホ断ち」などをテーマとした活動を社会公益団体が実施し、現実の世界に戻り、周りの人々や物事にもっと関心を持つことを人々に呼びかければ良いのではないかという提案が挙げられた。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年11月6日