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高齢者向けの携帯電話 サービス料が普及のネックに

 南昌市畳山路に住む趙順妹さんは今年63歳で、一人で家にいる時間が長く、高血圧を患っている。趙さんは8月20日午前、帰宅途中でバスを乗り間違え、乗り換えようとした時に、財布が見つからないことに気づいた。車内は暑苦しく、心の中もパニック状態で、趙さんはふと血圧が上がり目が眩み、停留所で倒れてしまった。そのとき周囲には誰もいなかった。趙さんは薄れる意識の中、高齢者専用の携帯電話のお助け機能を思い出し、その救援キーを押した。人民日報海外版が伝えた。

 その時、南昌市情報化高齢者サービスセンターのモニタリング設備と、趙さんの家族の携帯電話が救援の報告を受けた。同センターは衛星測位システムを利用し、趙さんが倒れた位置と移動ルートを特定した。同センターは真っ先に趙さんの家族に連絡し、迅速な救助で危険を逃れさせた。

 南昌市東湖区は今年6月19日、管轄区内の一定の行為能力を持ち、正確に携帯電話を使用できる80歳以上の「三無老人」(労働能力・収入源・扶養家族がない高齢者)、重点扶養対象、低保障者に向け、計350台の高齢者専用携帯電話を無料配布した。

 瀋陽市・南京市・西安市・武漢市・成都市・上海市などの各都市も、高齢者向け携帯電話の配布を試みており、かつ携帯電話とサービスセンター、高齢者情報センターなどをホットラインで結んでいる。

 しかし高齢者専用携帯電話「安康通」が2001年に上海市で使用開始されてからも、政府調達を除く真の利用者は非常に少ない状況だ。上海市閘北区では、区政府が生活が苦しい高齢者8000人余りに携帯電話を配布したが、現在頻繁に使用している利用者は2300人のみとなっている。南京市鴻逸居家高齢者サービスセンターは、高齢者に位置測位が可能な「一鍵通」を配布しているが、利用者は少ない。同センターのスタッフは定期的に、政府から渡された高齢者リストに基づき、自宅を訪問し携帯電話を配布している。

 上海市閘北区高齢者事業発展センターの顧丹紅氏は、「機能に不備がある他に、料金も上海の『安康通』の使用量が伸び悩んでいる原因となっている。同携帯電話の初期設定費用は680元(約1万円以上)で、毎月さらに10元(約160円)のサービス料を支払う必要がある」と指摘した。

 武漢市は高齢者に対して、自分の携帯電話もしくは固定電話に「一鍵通」の機能を取り付けるよう促している。武漢市民政局の関係者によると、そのコールサービスの補助金として一度に60元(約960円)を支給し、通話料をチャージさせているという。高齢者が携帯電話や固定電話を持っていなければ、団地内で申請を行うことができ、政府部門から「一鍵通」を搭載した携帯電話が無料配布される。この無料の携帯電話には1台当たり50%の通話補助金(60元以内)が支給される。補助金が支給されてはいるが、高齢者は料金が高いと訴えている。

 武漢市江漢区万松街公園団地に住む劉臘梅さんは、「『一鍵通』は確かに使い勝手が良い。病気の診察や薬の処方、家電の修理から、食事や買物に至るまで、電話をかければ必要なモノとサービスを自宅まで届けてくれ、利便性が高い。しかし無料の通話時間を過ぎると、1分ごとに0.29元(約4.64円)かかり、普通の携帯電話よりも割高だ。これは合理的ではないと思う」と語った。また一部の市民からは、「一鍵通」の10元(約160円)の月額基本料金をなくして欲しいとの声が寄せられている。利用者が多い団地は今年、湖北移動(チャイナ・モバイルの湖北省子会社)と契約を交わし、 湖北移動が今年の毎月10元の費用を負担することになった。しかし来年の政策がどうなるかは、現時点では不透明だ。(編集YF)

 「人民網日本語版」2013年10月11日

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