広がる「お一人様経済」 一人火鍋や一人前商品が人気

人民網日本語版 2019年02月26日10:59

「お一人様経済」の波が広がりつつある。「民は食をもって天となす」と言われるように、人々にとって大切な食に関わる外食産業は、この波をかなり早く察知した産業の1つだ。今や、ますます多くの人が「一人の食事だってちゃんと食べたい」と考えるようになり、食卓の上のお一人様経済がますます熱を帯びてきた。

▽一人火鍋が流行 店員はできるだけ「邪魔をしない」

インターネットで「国際孤独登録表」というものが話題になっていた。孤独を10段階に分け、「1人で火鍋を食べる」は上から5番目で、「火鍋を食べるのに、一人では無理ということはない」とコメントが添えられていた。昨年11月、90後(1990年代生まれ)で浙江省麗水市出身の「一未」さんは、杭州市浜江区に「お一人様」向けの火鍋レストランを開店した。「他のレストランなら店員が丁寧にあいさつするが、うちは違っていて、なるべくお客様の邪魔をしないようにしている」という。

この店では、壁に向かって1人ずつ小鍋の火鍋を食べるスタイルで、日本の有名とんこつラーメンチェーン・一蘭の店作りを参考にした。1人用座席がずらりと並び、隣との間には気兼ねなく食べられるよう移動式のしきりが設置されている。席に座り、注文をし、勘定を払い、スープを足す、タレをもってきてもらうなど、すべてのプロセスを客がセルフで行い、店員はすだれの向こうのセントラルキッチンに「隠れて」いて、客が呼ばない限り自分から動くことはない。

グルメの「Feng」さんは同店を1回利用したことがあり、「こういう言葉を交わす必要さえない外食体験が非常に気に入った」という。料理を運ぶとき、店員はすだれをかかげて姿を現し、小さな火鍋と具材をテーブルに置き、全部で1分もかからない素早さだ。また客が帰る前にテーブルの隅にあるボタンを押すと、店員が出てきてテーブルを片付けるようになっている。

▽30日で10万人分 有名外食企業が「一人用デリバリー」に力入れる

国金証券股フン有限公司(フンはにんべんに分)の詳しい報告によると、2017年に全国の単身層は2億2千万人に達し、総人口の約15%を占めた。これほど大きな若い単身層の塊は、これからの中国の消費トレンドの変化を示す重要なバロメーターになったといえる。

第一財経商業データセンター(CBNData)が生活サービスプラットフォーム・口碑と共同で発表した「2018年生活消費トレンド方向」の関連データによると、現在の若い消費者は「一人を謳歌する」生活態度を示し、一人での食事、住宅賃貸、旅行、映画鑑賞、暮らしを楽しみ始めているという。

大手ECプラットフォームをみると、一人前の商品が高品質低価格で大変な人気だ。たとえば容量が通常製品の半分の電気炊飯器はわずか100元(1元は約16.5円)余りで、1度にゆで卵2~4個を作れるゆで卵器は40元くらい、12リットルのミニトースターは100元もしない。2019年になると、大手食品ブランドが相次いで一人前パッケージの冷凍白キクラゲデザート、インスタント野菜スープを売り出し、流れに乗って調理油や調味料も1人用の少量サイズが売り出された。

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