日本の不動産市場 価格上昇と空き家率上昇が同時出現 (2)

人民網日本語版 2019年03月01日16:45

日本の総務省が発表した統計データによると、13年には住む人のいない空き家は全国に820万戸あった。同研究所の昨年8月発表の研究報告書によると、「全国の空き家は1千万戸に増え、日本の全住宅6063万戸の約6分の1を占めるようになった。現在の出生率や人口流動の状況から試算すると、33年には日本の空き家は1995万戸、空き家率は27.3%に達する」という。

地方自治体の中には人口減少を食い止め、空き家がもたらす問題を緩和するため、中青年人口の定住を呼び込むさまざまな奨励措置を講じるところがある。戸建てを無償で提供するところまで現れている。東京の市街地から約80キロメートルのた東京都奥多摩町は昨年、敷地面積約300〜500平方メートルの戸建て3戸を用意し、条件を満たした定住希望者に無償で提供しようとしたが、期限が来ても申し込んで定住した人はいなかった。

東京の不動産価格を持続的に大幅上昇させる要因はさまざまある。1つ目は日銀の長期的な超緩和政策の実施で、資本市場には十分な資金が流れ込み、その多くが不動産市場に向かったこと。2つ目はここ数年、円相場は平均して低い水準にあり、海外の機関投資家の資金が大量に流れ込んだこと。3つ目は東京五輪の開催が決まり、投資家が五輪前の不動産市場を好感し、五輪効果でニーズが増大したこと。4つ目は日本の中産階級は新築物件を好む傾向が強く、これも新築マンションのニーズを押し上げたことだ。資金が十分にあり、ニーズが旺盛なことから、東京の市街地では古い建物を壊して新たにマンションを建てる再開発が非常に盛んだ。

東京などの大都市の市街地では住宅価格が上昇を続けるが、日本全体としてみれば出生率は低下し、人口の東京、大阪、名古屋などの大都市圏への流入が続いており、大都市圏以外の都市、中小都市では人口が減少し、地方都市では住宅市場が供給過剰に陥り、交通が不便で、社会インフラが整っていない地域では住宅価格が下がり続け、問い合わせもほとんどないという状況だ。売りに出しても買い手がつかないだけでなく、賃貸ニーズもなく、ただ空き家にしておくしかない。

業界関係者は、「大都市と経済が発達した地方の中核都市には資金、教育、科学技術、人材など多くの資源があり優位性が高く、生活コストが高くても、若者の多くはこうした都市に流入し、そこの不動産市場を支えることになる。その一方で、出生率の低下にともない、地方の中小都市は人口流出が続く。人口減少により地方都市の空き家問題はますます深刻になる」と予想している。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年3月1日

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