来年創建600周年の故宮が大学と連携して「文物医学院」立ち上げへ

人民網日本語版 2019年03月04日15:36

2020年に創建600周年を迎える故宮で最近、春節(旧正月、今年は2月5日)に合わせて「紫禁城で年越し」や灯会イベント「紫禁城の上元の夜」などの文化イベントが開催され、好評を博した。文匯報が報じた。

歴史ある故宮は、「文化財を保護する」という初心を忘れていない。今月3日に全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)の「委員通路」に姿を現した全国政協委員を務め、故宮文物医院の院長である宋紀蓉氏は、「故宮博物院は今後、大学と連携して中国初の文物医学院を立ち上げる」と、最新ニュースを発表した。

故宮にある世界初の「文物医院」について、宋氏は、「16年末に発足した文物医院には、分析・検査室が23室、文化財修復作業室が16室あり、文化財を修復する職人が161人在籍している。しかし、中国には、放置された状態の文化財がまだまだたくさんある。貴重な文化遺産を修復し、保護するためには、さらに多くの文物医院や文化財を修復・保護する職人が必要だ」と指摘し、「今後、故宮は複数の大学と連携して、文物医学院を立ち上げ、文化財の修復・保護に従事する職人を育成する」と説明した。

人気となっている博物館は故宮だけではない。実際には、中国では近年、「文化・博物館ブーム」が巻き起こっており、博物館に行くというのが新たなトレンドとなっている。3日に全国両会の「部長通路」に姿を現した中国国家文化財局の劉玉珠局長は、その動向を紹介したほか、解決すべき課題についても語った。

劉局長は、「現在、博物館は『成長期の悩み』に直面している。その一つは社会のニーズが大きいことだ。統計によると、ここ3年間で博物館の来場者は毎年約1億人ペースで増加している。今年の春節に合わせた7連休中、中国国内旅行に出かけた人は4億1500万人で、そのうちの40%以上の人が博物館に行った。また、博物館の数も急増している。現在、中国全土にある各級政府に届出がされている博物館の数は計5136館で、毎年180館ペースで増えている」と説明する。

そして、「それら数字から、中国の人々は博物館に行くことを非常に好んでいることが垣間見える。しかし、博物館が提供しているサービスは、社会のニーズを満たすことが全くできていない。その面で、まだやるべきことはたくさんあり、道のりは長い」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年3月4日

  

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