全国政協人口資源環境委員会委員、生態環境部(省)大気環境局局長の劉炳江氏は北京で5日、煙霧の形成原因をほぼ解明したと述べた。中国新聞社が伝えた。
報告書によると、石炭を燃焼する重工業がその原因だ。2000人以上の専門家が2年にわたり、地上・空・宇宙総合立体観測ネットワークを利用し、重度大気汚染の過程を定量的かつ精密に記述している。華北地域の産業構造が重工業に偏り過ぎており、エネルギーが石炭中心、交通が道路中心になっているため、単位あたり国土面積の石炭消費量が全国平均水準の4倍になっている。また暖房シーズンのPM2.5水準は非暖房シーズンの1.5倍から4倍になり、保定などの分散的な石炭消費量が大きい都市は特に深刻だと指摘している。
報告書はまた、華北地域における主な汚染地域は、唐山、天津、石家荘、邯鄲、淄博としている。鉄鋼及びコークスは唐山と山西省・河北省・山東省・河南省の境界に集中。ガラスは邢台、淄博に集中。石油化学工業は淄博、天津、滄州、石家荘に集中。北京・天津・河北及び周辺地域の鉄鋼、コークス、ガラス、有効成分などの生産量は、全国の4割以上を占めている。
劉氏は、「大気汚染対策は難関攻略の段階を迎えており、難しい分野に取り組まなければならない。北京・天津・河北及び周辺地域は高エネルギー消費量・高排出量の企業が密集しており、大気汚染物質の排出量が全国平均の4倍前後に達している。そのため風が吹かないと煙霧が発生する。排出量が大気環境許容量を大幅に上回っており、構造改善が不可欠になっている」と述べた。
科学技術は管理の基礎だ。例えばリモートセンシング技術が中央政府の管理に役立てられている。農作物の茎の燃焼がリモートセンシング衛星によって撮影されるため、現地政府は燃焼禁止に本腰を入れざるを得ない。パソコンで衛星写真を通して木の苗を一本ずつ確認できるため、造林の目標を達成できなかった地方に責任を追及できる。砂漠の汚水プールもしくは川の砂の穴も衛星で発見することができる。
説明によると、昨年の中国の大気品質は関連措置により引き続き改善された。PM2.5の濃度は前年比10.4%低下し、「優良」の日数が2.6ポイント増加した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年3月7日