2500年以上前の鶏卵、江蘇省の墓から発見

人民網日本語版 2019年03月28日13:36
2500年以上前の鶏卵、江蘇省の墓から発見

鶏卵は割れやすい。特に薄い殻は太陽光、水、ガス、生物の影響により風化しやすい。ところが驚くべきことに、南京博物院と溧陽市博物館の合同考古調査チームは25日、江蘇省溧陽市上興鎮の春秋時代の土墳の第5層陶罐にぎっしり詰め込まれた鶏卵を発見した。すでに2500年以上にもわたり埋蔵されていたにもかかわらず、ほぼ完全な形を保っていた。科技日報が伝えた。

考古調査チームの専門家は「これは江南の土墳から見つかった5壺目の鶏卵で、最も完全な状態で出土した鶏卵だ。句容及び金壇の春秋土墳群から出土した陶器の中にも家禽の卵が入っており、国家一級文化財に指定された。極めて重要な考古学的価値と歴史的意義がある」と説明した。

チームは壺の鶏卵を発見後、脆弱な文化財にひびが入り風化するのを避けるため、直ちにフタを閉める処置を施した。中に入っていた鶏卵のうち1個は破損していた。チームはすでに陶罐全体の密封保護を施しており、保護のための取り出し作業に入る予定だ。

2500年以上もの間、埋蔵されていたにもかかわらず、完全な状態を保っていたのはなぜだろうか?考古学者はその初歩的な判断として、陶罐の蓋と封泥、及び墓の密封された環境が、鶏卵を保護する力を発揮したのではないかとしている。

関連考古学者は「陶罐の鶏卵は現在のものとあまり変わらないが、黄身と白身がなくなっている。2500年が経過し、鶏卵はほぼ分解されたはずだ。殻はカルシウムで、性質が安定しているため残された。そのためこの壺の中の鶏卵は殻だけの可能性がある」と分析した。

考古学者は出土した文化財の数から、この墓の主が家族の中で高い地位を占めていたはずと推測した。家族は死後に一揃いの容器や食器を副葬し、主が他界した後も飢えに苦しまないようにとの願いを込めた。陶器の中には穀物などその他の食料が入っていた可能性があるが、長い年月を経ているため腐食し跡形もなくなった。

考古学者によると、今回の発見には非常に重要な考古学的価値と歴史的意義がある。彼らは鶏卵を取り出した後、実験室の恒温・恒湿装置の中で研究を行う。鑑定と化学検査により、鶏卵の年代を特定できる。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年3月28日

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