官荘遺跡から出土した蓮瓣の陶製の鋳型。青銅器の蓮の花びらの装飾に用いられる。
このほど開かれた2018河南考古新発見フォーラムへの取材によると、官荘遺跡考古発掘に重大な成果があった。その銅鋳造作業場から出土した器物は珍しくかつ豊富で、中国の西周・東周から春秋早期・中期までの青銅器鋳造技術を示している。新華社が伝えた。
プロジェクト発掘隊のリーダーである郜向平氏は「鋳型の作り方から研磨に至るまで各段階の鋳造遺物が同遺跡から出土している。これには溶鉱炉とるつぼの残骸、銅屑、土管、磨石などが含まれる。この作業場はおよそ紀元前770年から紀元前650年までの、西周が東周に移り変わる時期に使われた。出土した陶製の鋳型は平面の幾何学模様からより複雑で立体的な模様へと移り変わっており、当時の芸術的スタイルの変化を示している」と説明した。
官荘遺跡は鄭州市西部に位置し、面積は130万平方メートルにのぼる。文献の記録によると、西周の鄭州西部の一帯には東虢や鄭国などの国があった。官荘遺跡は学術的な研究価値が高い。夏商周断代プロジェクト首席科学者、北京大学の李伯謙教授はこれを、西周・東周時代の封国考古調査の重大課題の一つとして位置づけている。
鄭州市文物考古研究院は2004年より、遺跡の調査と発掘を複数回行った。2011年以降は鄭州大学歴史学院、鄭州文物考古研究院と滎陽市文物保護管理センターでつくる調査隊が、同遺跡の発掘を進めている。
調査隊員は遺跡内で、外壕と南北に連なる大城・小城を発見した。また大城の北部で、西周・東周時代の銅鋳造、陶器製造、骨器製造の遺跡が見つかった。うち銅鋳造作業場の面積は2000平方メートル以上で、陶製の鋳型が約3000個出土している。青銅器は多種多様で、礼楽器、兵器、車馬器などがある。陶器作業場では陶窯と原料穴が見つかり、陶拍、陶墊、陶器の不良品などが見つかっている。
郜氏は「出土した一部の陶製の鋳型は模様が美しく、鋳造された器物は大型だ。これは使用者の身分が高かったことを意味する。大城内には他にも銅鋳造及び陶器製造の場があることから、西周・東周時代の官荘は物資の生産・保管を主な機能としていた可能性がある」と指摘した。
説明によると、遺跡では他にも漢のレンガ窯、鉄器穴蔵、レンガ穴などが見つかった。鉄窯、鉄製高柄薫炉、すき、鉄戟などの鉄器が見つかった。これは漢の時代に鉄冶金作業場があった可能性を意味する。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年3月6日