梅竜達普洞穴内の赤色の壁画
考古学者はこのほどチベット自治区ガリ地区で、チベット高原科学考古調査において初めて有史以前の洞窟遺跡「梅竜達普洞穴遺跡」を発見した。同遺跡はガリ地区革吉県に位置し、標高は約4600メートル。横並びの2つの独立した洞窟で、うち1本の洞窟の面積は1000平方メートル以上、もう1本は約250平方メートル。遺跡内からは新石器時代後半の古人類がすでに使用していた、4000年以上前の人造細石道具が発掘された。周口店の「北京原人」などの中原考古調査と比べ、この遺跡は歴史が浅いが、チベット高原の考古調査にとっては並々ならぬ意義を持つ。北京日報が伝えた。
内モンゴル考古研究所の元研究員である石文斌氏によると、今回の発掘調査には重大な意義がある。炭素による年代測定の結果、4000年以上前のものであることが分かった。当時の中国は新石器時代後期であったが、チベット高原は自然条件と生活環境が過酷だったため、人類はいつここで生産と定住生活を開始したのだろうか。今回の発掘はより明確な回答を導き出してくれることだろう。さらに喜ばしいことに、洞窟内には幾何学的模様の色付きの壁画がある。これはチベット高原先住民のトーテム崇拝、宗教・信仰、芸術発展水準の研究にとって重大な価値を持つ。
細石器文化とは細く小さな打製石器の使用を象徴とする人類物質文化の発展段階を指す。人類はその時から、打ち砕くことで細石核、細石葉及びその加工品を作ることを身につけていた。これは人類の生産力の旧石器時代からの大きな飛躍だった。国際的には、この時期は通常、旧石器時代後期に現れ、中石器時代と新石器時代前期に隆盛したとされている。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年1月16日
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