北京で16日に発表された中国の第16回全国国民読書調査の結果によると、2018年、中国の成人一人当たりの紙媒体図書読書量は4.67冊で、電子図書の読書量は3.32冊だった。中国人が毎日メディアにアクセスするための主なツールは、スマホやインターネットで、紙媒体図書や新聞を読む時間は減少している。新華網が報じた。
読書のデジタル化が主流に
メディアにアクセスするための各ツールの利用時間を見ると、スマホの利用時間が最も長く、成人一人当たり一日平均84.87分となっており、インターネットは65.12分、電子書籍リーダーが10.70分と、いずれも増加した。
中国新聞出版研究院の魏玉山院長は、「読書がデジタル化し、中国の国民の総合読書率やデジタル化された読書スタイルの利用率が向上し、読書者数が増加している。しかし、紙媒体図書の読書率の増加ペースは鈍化しているというのが、新たな動向だ」と分析する。
統計によると、「紙媒体図書を読むほうがいい」と答えた成人は38.4%で、17年の45.1%と比べて6.7ポイント下降した。成人の半数以上は、デジタル化された読書スタイルを好んでおり、そのうちスマホを利用する人が目に見えて増加している。
ネットユーザー61.6%が「ネットでニュースを見る」
中国の成人のネットユーザーがインターネットを利用してすることのうち、「ニュースを見る」が61.6%、「チャット/友人と交流」が62.3%、「動画を見る」が50.0%、「ショッピング」が41.1%、「音楽を聞く/歌や映画をダウンロードする」が36.5%、「ゲームをする」が28.0%、「インスタントメッセージをする」が19.2%だった。一方、インターネットを利用して主にすることとして、「書籍や新聞を読む」を選んだネットユーザーは15.9%にとどまった。
専門家は、「中国の国民のインターネットを利用した活動・行為は、ニュースを見る、交流、動画の視聴がメインで、じっくりと書籍を読むという人はあまりいない。娯楽化、断片化の特徴が際立っている」と分析する。
調査によると、18年、中国の国民の約3割にオーディオブックを聴く習慣があり、オーディオブックが中国の読書の分野における新たな成長ポイントとなっている。オーディオブックを聴くための主なツールは、モバイルオーディオブックアプリだ。成人のオーディオブック利用率は26.0%で、未成年者の利用率は26.2%と、いずれも増加した。
都市別読書指数トップは深セン
今回の調査結果で初めて掲載された都市別読書指数ランキングでは、トップ3が深セン、蘇州と北京で、以下、青島、杭州、南京、上海、合肥、武漢、福州と続いた。
深センは、都市別読書指数、個人の読書指数、公共読書サービス指数の3部門でトップに立った。蘇州と北京は、一人でも多くの市民が本を読むよう促す活動を積極的に展開し、特色あるPRスタイルを生み出し、中国全土において牽引的、モデル的役割を果たす都市となっており、都市別読書指数、個人の読書指数、公共読書サービス指数の3部門でも上位に入っている。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年4月17日